プロジェクトリーダー
西田 淳志
人間誰しも他人の心を分かることはできない。
では、自分が抱えているこの気持ちは、自分ひとりだけのこと?
だけど世界には76億の人がいて、日本だけでも1億の人がいる。
「自分だけ?」と思えることも、この同じ時に、同じことを感じている人が他にいるかもしれない。
調べてみたら、結構な人数でいるかもしれない。
それを「見える」化すると、少なくとも「自分だけ?」を打ち破る出発点になる。
「気の持ちよう」なんて言われたりもするけど、心の健康は心がけ次第で全てどうにかなるわけではない。
どうしたって心はその人の置かれた環境に影響を受ける。
辺りが暗くなってきたら気持ちも暗くなるし、怖いと感じるかもしれない。
人間関係、ときには社会の仕組みそのものが心の健康に影響することだってある。
ひとりの感じている苦しさが、社会の課題を映し出してもいる。
心の問題につながる環境が分かってはじめて、その先の解決策を考えることができる。
日本では既に、心の健康に関わる仕事がいろいろある。
辛いときや苦しいときは、高い専門性や特別な技術をもつ、「すごい専門家」に助けてもらいたい、と思うかもしれない。
だけど、「すごい専門家」が近くにいなかったら?
近くにいても、他に沢山の人が助けを待っていて、自分の順番がなかなか回ってこないとしたら?
それに、「すごい専門家」だって人間なのだから、いろいろな理由で助けられないときもある。
どこに住んでいても・誰でも適切なケアにつながれるためには、専門職個人がケアを提供するのでなく、仕組みで提供することが大事になる。
よい仕組みがあれば、「すごい専門家」じゃない人たちでも、適切なケアができるようになる。
より詳しい研究紹介は こちら からどうぞ。