HOME広報活動刊行物 > October 2014 No.015

開催報告

平成26年度 第2回都民講座
アンチエイジングと長寿の秘訣

東京医学総合研究所は都民の皆様向けに年8回ほど講演(都民講座)を行い、当研究所の研究成果の一端や関連する最新情報などを分かりやすくお伝えしています。

講師:順天堂大学大学院 教授 白澤 卓二

写真

6月4日、「アンチエイジングと長寿の秘訣」と題して、順天堂大学大学院、加齢制御医学講座教授の白澤卓二先生をお迎えして第2回都民講座を開催しました。白澤先生は『100歳までボケない101の方法』『老いに克つ』『免疫力をアップする、塩麹のおかず』『100歳までボケない手指体操』『100歳までサビない生き方』『「砂糖」をやめれば10才若返る!』など100冊を超える著書を執筆されているアンチエイジング研究の第一人者です。

講演はまず、これまで最も長生きしたフランス人女性カルマンさんや、2013年に80歳でエベレスト登頂を果たした三浦雄一郎さんを例に、長寿またはサクセスフルエイジングの重要性についてお話されました。

つづいて、健康で長生きするために重要な食事について、カロリーを70%に抑えたアカゲザルが若々しく生きたという実験例を紹介され、食べ過ぎないようにするにはどうすればよいか、なぜ食べ過ぎるのかなどについて、科学的根拠をまじえてお話されました。また、野菜や果物ジュースを週3回以上とるだけで、アルツハイマー病の発症リスクが75%も低下したという報告を紹介されました。さらに、刺激の多い環境と少ない環境で育てたマウスにおいて神経幹細胞の数が大きく異なったという論文を紹介し、運動と豊かな環境が脳の活性化に大事であることを説明されました。

そして最後に、「アンチエイジングでは、食事、運動、いきがいが大切です」と、非常にわかりやすいメッセージを会場の皆さんに提示されました。

今回は講演内容が長寿の秘訣という高齢化社会における最大関心事であることに加え、白澤先生がマスコミ等でもおなじみの先生ということもあり、多数の聴講応募が寄せられ、会場も満席となりました。講演終了後は大きな拍手に包まれ、聴講された皆様が本当に講演を聞いてよかったという満足感が会場全体に溢れていたように感じられました。本当にすばらしい講演会でした。

認知症・高次脳機能研究分野 長谷川 成人

 
ページの先頭へ