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開催報告

第27回 サイエンスカフェin上北沢 (平成30年3月11日開催)
「言葉を伝えることってむずかしい!? すばらしい!!」

難病ケア看護プロジェクト リーダー中山 優季

第27回サイエンスカフェ

第27回サイエンスカフェは、「言葉を伝えることってむずかしい!?すばらしい!!」をテーマに開催されました。

もし、病気や障害などで話せなくなり、文字を書くこともできなくなった時に、私たちは思いをどのように伝えればいいのでしょうか。

まず、最初の講義では、私が、機械を使わないアナログの方法として、「口話」(口の形)や「文字盤」(文字を見つめる)、機械を使うデジタルの方法として、「意思伝達装置」と「操作スイッチ」(わずかな力や生体電位を用いた方法)など、様々なコミュニケーションの方法・手段を紹介しました。次に、人工呼吸器を装着し小学校へ通うさほちゃんのお母様、大泉江里様の講演は、「心はつたわる。心をうごかす」をテーマに、夏祭りで声をかけてくれた女の子が、さほちゃんが地域の一員として暮らす原動力となったこと、通りすがりの何気ないやりとりが心を動かすきっかけとなりうることなど、さほちゃんの日々の生活の中での出会いや体験を通しコミュニケーションの原点についてのお話をしてくださいました。

講義の後は、「コミュニケーション体験スタンプラリー」で、参加者の皆様が実際に、①文字盤、②視線入力装置や意思伝達装置・スイッチ、③生体信号装置、④分身ロボット「OriHime」(離れた場所から、その場にいるかのようにロボットを通じて話ができる仕組みです)の体験をしました。

視線や生体信号で意思を伝えることは、傍で見ていると難しそうに見えましたが、参加者の皆さんは、最初は戸惑いながらもすぐに操作に慣れ、小さなお子さんも短い時間で、すっかり使いこなされていました。

普段、私たちは何の苦労もせず、いとも簡単に思いを口にし、コミュニケーションをとっていますが、それがいかに難しく素晴らしいことであったのかを実感しました。

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