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開催報告

第4回 都医学研都民講座 (平成30年9月30日実施)

「難病・ALSを「治す」への挑戦」

難病ケア看護プロジェクト プロジェクトリーダー中山 優季

難病中の難病といわれるALS、筋萎縮性側索硬化症の「治す」ことへの挑戦というテーマを掲げられた事にとても感慨深さを感じております。 実は、漫画の世界ではありますが、「宇宙兄弟」では、20○○年にALSの治療法が誕生することになっています。今回、この「宇宙兄弟」の漫画から誕生したせりか基金の代表、黒川久理子様と都医学研長谷川成人プロジェクトリーダーを講師に第4回都民講座を開催しました。 まず、黒川様からは、治療法開発の研究費を寄付で集める活動を起こすに至った経緯についてお話しいただきました。その中で、ALSにまったく関係のない自分、第三者だからこそできることがある、患者さんから元気をもらっていますという言葉がとても印象的でした。

次に、長谷川プロジェクトリーダーからは、孤発性ALSを例に、どうしてTDP-43のアミノ酸が一つ変るだけでALSになるのか?といった難しい問いの解明についての現状、そして、異常型TDP-43を標的とした治療薬開発の戦略について、分かりやすく解説いただきました。

講演に続き、講演者お二人とNPO法人ALSMNDサポートセンターさくら会理事川口有美子様を加えたパネルディスカッションを行いました。難攻不落と言われたALSの病態が少しずつ、確実に解き明かされている手応えを感じるとともに、治療法開発までの間、さまざまな症状を呈する可能性のあるALSへのケアの重要性も再確認する場となりました。

参加者の皆様からは、「貴重な話、ALSの知人に伝えて勇気を伝えたい」「せりか基金を通じて、自分にもできる支援があると思えた」「どちらかが何かをしてあげるというだけの関係ではなく、人と人との関係が大切」など多くの感想をいただきました。

実は、今回の都民講座にはもう一つ、「集客」という挑戦がありました。試験的ではありましたが、従来開催してきた平日午後ではなく、休日開催とし、そして会場は、日経ホールという医学研の新しい挑戦に、担当部署として、1年以上前から重圧を感じておりました。順調に参加申し込みを頂いてきていたのですが、神様は直前に台風という想定外の試練をお与えくださり、開催自体が危ぶまれる状況となってしまいました。その中、奇跡的に?予定通り開催できたこと、関係各位のご尽力に心より感謝申し上げます。

第4回 都医学研都民講座 写真
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