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開催報告

第28回 サイエンスカフェin上北沢(平成30年8月19日実施)

「脳の中をのぞいてみよう!-私たちを守ってくれる白血球を見てみよう!-」

脳卒中ルネサンスプロジェクト プロジェクトリーダー七田 崇

今年の夏は酷暑が続きましたが、8月19日の日曜日は、晩夏らしく暑さも少し和らいだ日和となりました。この日、弊所にて第28回サイエンスカフェin上北沢「脳の中をのぞいてみよう! 私たちを守ってくれる白血球を見てみよう!」を開催し、たくさんの小学生、中学生、保護者の方に御参加頂きました。企画が無事、盛況のうちに終えることができ、御参加、御協力を頂きました方々に心より御礼を申し上げます。この企画では、日頃より私共が心を奪われている脳の中の神秘のメカニズムを是非、皆様にも体感して頂きたいと考えまして、脳卒中ルネサンスプロジェクトの研究員、弊所に所属している学生が主体となって4つの体験型展示を行いました。

私たちの身体の神経ネットワーク、免疫システムは、身体の隅々にまで備わり、日々の生活を支えてくれている2大生命メカニズムです。脳は一見、免疫システムからは隔絶されているように見えますが、脳が傷つくような一大事の際にはすぐに、血液中を流れる免疫細胞(白血球)が駆けつけてくれます。本企画の4つの展示は、血液の中にいる様々な種類の白血球を顕微鏡で見分ける「①血液の世界をのぞいてみよう!」、脳の中の複雑な神経ネットワークを観察する「②脳を透明にして見てみよう!」、複雑な脳機能を支えてくれる脳細胞が光って観察できる「③脳組織を顕微鏡で見てみよう!」、複雑な脳機能を実感できる「④じぶんで錯視をつくってみよう!」に分かれておりまして、それぞれを15分ずつ体験して頂けるように企画いたしました。

理科・サイエンスとしては、かなり専門的で難しい内容も含まれていた当企画でしたが、御参加頂いた小学生、中学生の方々は本当に熱心に取り組んで下さり、若い子供達の純粋な知的好奇心で溢れていた2時間であったように感じております。本年は日本からも免疫学の分野でノーベル賞が出た年でありますし、複雑な脳機能のメカニズムは最新の技術開発によって今まさに読み解かれようとしているところです。神経ネットワークも免疫システムも、複雑ながら非常に合理的で精巧なメカニズムで機能しておりますが、これらを少しでも実感して頂き、好奇心が湧き出てくるような、サイエンスとしての楽しさに浸って頂けたとしたら、私共としましてもこれ以上の喜びはございません。この度はたくさんの方々に御参加、御協力を賜りまして誠にありがとうございました。

会場の様子
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