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開催報告

東京都科学技術週間特別行事 (2019年4月13・14日開催)
こ「Tokyoふしぎ祭(サイ)エンス2019」(2019年4月13・14日実施)」

基盤技術研究センター 研究技術開発室長高松 幸雄

実験

『Tokyo ふしぎ祭(サイ)エンス』は、4月18日の「発明の日」を含む1週間(科学技術週間)に、主に小中学生を対象として科学技術への理解と関心を深めてもらうために開催される東京都の特別行事です。本年度は、4月13日(土)と14日(日)の2日間、お台場の日本科学未来館で開催されました。東京都医学総合研究所は、2日間にわたり「DNAと脳の仕組み -見てみよう 調べてみよう 作ってみよう-」をテーマにした三つの体験教室「バナナからDNAを取り出そう」、「DNAの二重らせんを作ろう」、「錯視を体験しよう」を企画し、330名を超える方々に参加していただきました。

「バナナからDNAを取り出そう」では、白衣とゴム手袋を身に着けた未来の研究者が、身近なバナナからDNAを抽出する実験を通して、DNAが特別なものではないことを知ってもらいました。実験は、8名の参加者を5~6名のリサーチアシスタント(RA)でサポートし、一人ひとりの子供のペースに合わせて実験を進めました。子供たちは、研究者を目指しているお姉さんやお兄さんとお話をしながら楽しく実験するという、とても貴重な体験ができたと思います。DNAが見えてきたときの感動を子供たちと共有したRAのみなさんは、とてもうれしそうでした。

「DNAの二重らせんを作ろう」でも8名の参加者を5~6名のRAがサポートしました。RAのみなさんは、DNA塩基が対を作ることで二重らせん構造になることを説明しながら、塩基に見立てた小さなカラービーズをつなぎ合わせたDNAストラップを、子供たちと一緒に完成させました。RAのお兄さんやお姉さんと一緒に完成させたキラキラ輝くストラップは、素敵なお土産になりました。

脳卒中ルネサンスプロジェクトが担当した「錯視を体験しよう」では、RAがサポートしながら「きらめき格子」「ふしぎな曲がる線」「ゆがむ四角形」などの課題に取り組み、事実とは違った視覚的な錯覚(錯視)を起こしてしまう体験をしました。大人にとっては、脳が騙されるような不思議な感覚に陥ってしまう教材でしたが、子供たちは事実を見抜く観察眼が鋭く、しばしば(錯視が)「起きないぃ」との声が上がっていました。RAのみなさんは説明や工夫を凝らして付き添い、子供たちから「錯視が見えたぁ」と嬉しそうな声が上がる度に、「脳が騙されちゃったね」と応じ、2日間にわたり楽しい体験教室になっていました。

体験を通して子供たちの科学への理解と関心を深める企画はとても大変ですが、子供たちの真剣なまなざしと笑顔は、関わった全てのスタッフにやりがいを感じさせてくれます。最後ですが、ご協力いただいたRAのみなさん、快くRAを送り出してくださったプロジェクトリーダーの先生方、企画から当日の後片付けまでを段取りよく進めてくださった普及広報係のスタッフ、おいしいどら焼きを持って激励に来てくださった所長、みなさまのご協力とご支援に感謝します。ありがとうございました。

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