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10.成体ラット脳からの神経前駆細胞の新しい分離培養法
■東京都精神医学総合研究所 楯林 義孝
![]() 中枢神経領域における神経幹細胞の動態はまだ完全に明らかになっていないものの、さまざまな精神・神経系疾患に関与している証拠が集まりつつある。
よって、今後、成体神経幹細胞の研究は、再生医療ばかリでなく、精神・神経系疾患の病態機序解明から新しい治療法の開発まで、最先端医療をさまざまな分野で担って行く可能性が高い。
そのような研究を進めて行く上で、成体脳より神経前駆細胞を分離培養する方法の確立は、その応用性を考えた時、計り知れない影響がある。
我々は、成体ラット脳から2 種類の成体神経前駆細胞(神経前駆細胞及びNG2 陽性オリゴデンドロサイト前駆細胞)を効率よく分離培養する方法を世界で初めて確立した。 それらの培養細胞を用いて、幹細胞の脳内での基礎動態研究から、疾患での役割の研究、またさまざまな薬剤候補物質の効果を直接的に検討しスクリーニングする研究などが可能となっている。 また、これらの細胞はラット胎児や胚性幹細胞より由来した神経幹細胞とは性質が異なり、実際の成体の条件により近いと考えられる。 すなわち、それらの細胞に効果のある物質は薬剤輸送に問題がなければ成体内でも同様の効果が期待できる。 また、動物実験では不可能な、比較的大規模なスクリーニングが可能となり薬剤の絞り込みも可能と考えられる。 ![]()
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