筋細胞の中を動き回るカルパイン3 ― 筋ジストロフィー発症メカニズムの一端の解明 ―
カルパインプロジェクトは、尾嶋孝一特別研究員(現所属:(独)畜産草地研究所)を筆頭として、神戸大学、東京大学、
JST、理化学研究所、首都大学東京、マンハイム大学、アリゾナ大学、国立国際医療研究センター研究所などとの共同研究において、筋特異的に発現するタンパク質分解酵素注1)であるカルパイン3注2)の
活性不全により、運動ストレスに対する筋肉の防御反応が機能せず、筋ジストロフィーが発症してしまうことを初めて明らかにしました。筋ジストロフィーは、東京都で難病指定(都
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この研究成果は8月2日(米国東部時間)の米国科学雑誌「Journal of Clinical Investigation(ジャーナルオブクリニカルインベスティゲーション)」に掲載されました(オンライン版発表は7月1日(米国東部時間))。
なお、この研究は、東京都医学研究機構プロジェクト研究費、独立行政法人科学技術振興機構CREST、文部科学省科学研究費補助金特定領域研究、基盤研究(B)、厚生労働省精神・神経疾患研究委託費、武田科学振興財団特定研究助成金を活用して行われたものです。
また、下記のメディアで紹介して頂きました。
都政新報7月9日第5629号1面、朝日新聞7月16日朝刊27面、
福祉保健局ミニ通信292号7月15日2頁
Ojima, K., Kawabata, Y., Nakao, H., Nakao,K., Doi, N., Kitamura, F., Ono, Y., Hata, S., Suzuki, H., Kawahara, H., Bogomolovas, J., Witt, C., Ottenheijm, C., Labeit, S., Granzier, H., Toyama-Sorimachi, N., Sorimachi, M., Suzuki, K., Maeda, T., Abe, K., Aiba, A., and Sorimachi, H. (2010) Dynamic distribution of muscle-specific calpain in mice has a key role in physical-stress adaptation and is impaired in muscular dystrophy.(物理的ストレス及び筋ジストロフィー状態での筋肉特異的カルパインの動的局在変化の生理的意義のマウスでの解析) J. Clin. Invest., 120, 2672–2683.