本邦では高齢化社会が進み、脳卒中は健康寿命を短縮する大きな要因となっている。脳卒中後の麻痺や脳機能障害の程度を軽減し、脳卒中患者の社会復帰を促すような新しい治療法の開発に期待が高まっている状況である。本プロジェクトでは、脳卒中後の脳組織における修復機転の分子・細胞メカニズムを、最新の免疫学―神経科学―生化学を融合させた研究視点から解明して、新たな脳卒中治療剤の開発を行う。脳には驚くほどの修復プログラムが備わっていることが明らかになりつつあり、免疫学や神経科学の新しい研究手法を応用することによって神経修復に関わる分子・細胞メカニズムが詳細に解明されることが期待できる。脳卒中研究を新しい角度から発展させることにより、脳卒中後の神経修復を促進し、患者の社会復帰を助ける薬剤の開発を主目標として研究を行う。
プロジェクトリーダー 七田 崇