学習記憶回路の動作原理と破綻機序の解明

記憶情報は、神経細胞やグリア細胞から構成される記憶回路で形成・保持され、必要に応じて読み出されます。本プロジェクトでは、世代交代が短く、分子遺伝学的手法が高度に発達したショウジョウバエを用いて、記憶回路の形成過程や動作原理を明らかにし、それを哺乳類モデルで検証します。
本プロジェクトの成果は、記憶(経験)に基づく精神活動やその原型がどのように生まれ、疾患や加齢によってなぜ障害されるのか?を、分子レベルで理解するうえで重要な意義を持ちます。

Greetingご挨拶

脳は、神経細胞とよばれる特殊な細胞と、それを取り巻くさまざまな細胞によって構成されており、五感の処理や記憶、運動、気分や感情といった多様なヒトの活動を制御しています。こうした脳の機能の中でも、特に学習や記憶は高次脳機能と呼ばれ、さまざまな細胞や分子が動員された結果として発現すると考えられています。

学習や記憶はヒトに限らず、さまざまな動物においても観察されます。犬や鳥が芸を覚えるのも学習・記憶ですが、ショウジョウバエをはじめとする昆虫のような単純な動物でも、学習や記憶の能力が存在することが知られています。

我々のプロジェクトでは、ショウジョウバエの得意分野である多数の突然変異体や遺伝子組換え体を用いて、学習や記憶に関与する遺伝子やタンパク質の同定を行っています。また、加齢に伴って学習や記憶の機能が低下するという生理的な変化の背景にある分子機構の解明にも取り組んでいます。加えて、近年ではショウジョウバエで明らかにされた知見を、哺乳類の脳でも検証するという挑戦的な課題にも取り組んでいます。

学習や記憶などの高次脳機能の研究は、今後さらに重要性を増すと考えられており、世界中の多くの研究室がその仕組みの解明に向けて精力的に研究を進めています。我々も、世界の最先端に比肩するような研究を進めていきたいと考えており、多くの若い研究者による新たな挑戦と発展を心から期待しています。

Informationお知らせ

2025.7.30
HPをリニューアルしました
2023.2.16
HPを更新しました
2023.2.16
プロジェクトメンバーを更新しました
2023.2.16
研究成果を更新しました
2023.2.16
プロジェクトの活動を更新しました
2019.4.9, 17
齊藤 実プロジェクトリーダーが文部科学大臣賞を受賞しました

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