2014年8月14日 首都大学東京 大学院集中講義(南大沢)

【細胞の増殖と環境応答】

正井久雄:8月14日(木) 2限~5限

細胞の増殖•癌化•老化の鍵をにぎるゲノム/染色体複製と安定性維持の分子メカニズム、その起源と進化

 ゲノムの安定な維持継代は細胞の増殖と生存にとって必須である。特にDNA複製の正確な進行と完了は生物の生命維持の根幹にかかわる問題である。この過程の異常は、がん、神経性疾患など多くの疾患の原因、また老化にも関連する。本講義では、大腸菌、分裂酵母、動物細胞さらに変異マウスをモデルとして用いた、ゲノム複製制御、その障害に対する細胞応答の分子機構の基本を分かりやすく説明し、ゲノムのキャリアである染色体の核内での高次構築、配置がゲノム機能発現をどのように制御するかを考察する。さらに、研究成果に基づいた、新しい制がん戦略・創薬の開発について論じる。また我々の最新の成果に基づきDNA複製の起源と進化についても論じる。