プロジェクトの沿革と概要
細胞内の全てのオルガネラや蛋白質は、千差万別の寿命をもってダイナミックにターンオーバーしており、生物はこの新陳代謝を通して細胞内を浄化すると共に細胞活動を健全に維持しています。この代謝回転の中核を担うユビキチン・プロテアソーム系やオートファジー経路は、様々な細胞内ストレスに応答する手段として、あるいは多様な生体反応を迅速に順序立って不可逆的に進める手段として、生命現象に不可欠な役割を果たしています。
近年、ユビキチン・プロテアソームシステムやオートファジーシステムの破綻に伴って発症する疾病(癌や神経変性疾患等)に関する報告が急増しており、高齢化社会を迎えた今日では、その生理と病態に関する研究の重要性は拡大の一途を辿っています。
本プロジェクトでは、選択的なオートファジー、PINK1/Parkinの触媒する異常ミトコンドリア上のユビキチン化とマイトファジー、F-box 蛋白質の関与する分解機構などの研究テーマについて、分子から個体レベルまで多面的に研究を進めています。これらの研究は、生命の謎に迫るという学術的な重要性のみならず、健康科学の発展に大きく寄与することが期待できます。
News & Topics一覧
- 2021年10月1日
HPを一部更新しました。
- 2021年7月3日
吉田雪子 主席研究員らは「ヒト希少遺伝疾患「NGLY1欠損症」発症機構の解明〜治療法開発への第一歩〜」について米国科学誌「PNAS」に発表しました。【紹介ページはこちら】
- 2021年3月4日
松田憲之 PTリーダーらが 2010年に Journal of Cell Biology 誌に報告した論文「PINK1 stabilized by mitochondrial depolarization recruits Parkin to damaged mitochondria and activates latent Parkin for mitophagy」の被引用回数が1,000に達しました。【紹介ページはこちら】
- 2021年1月26日
小島和華 外部支援研究員らは「哺乳類のオートファジー経路に関わる新規因子:BCAS3-C16orf70複合体の発見」について米国科学雑誌 Autophagy に発表しました。【紹介ページはこちら】
- 2020年7月2日
山野晃史 主席研究員らは「ユビキチンで標識された損傷ミトコンドリアをオートファジー分解に導く分子機構 〜Ubiquitin - OPTN(Optineurin) - ATG9A axis の発見〜」について米国科学雑誌 Journal of Cell Biology に発表しました。【紹介ページはこちら】