世界で最も多くの命を奪う病気は、心血管病です
その最終段階である心不全は、一度発症すると、何度も入退院を繰り返し、全身の臓器機能が低下します。
薬物療法やカテーテル、デバイス治療が進化した現在も、依然として予後は悪いままです。
なぜ心不全が始まると、体は全身で弱ってしまうのか?
心不全を発症させない、全く新しい方法はあるのか?
私たちは、この大きな問いに対して、免疫システムと自律神経の変化に注目しています。
心不全になると、骨髄中の造血幹細胞がストレスを記憶し、炎症性の免疫細胞を生み出し続けてしまいます。
その背景には、全身の交感神経活性の変化があります。
その結果、心臓だけでなく、腎臓病やサルコペニアなど多臓器合併症を引き起こしやすくなります。
心不全とは、全身のレジリエンスが失われる病──
私たちは、その本質に迫る鍵として「Stress-Imprinted Immunity」(ストレスが刻む免疫変化) に注目し、新しい治療戦略へつながる発見を目指しています。
