糖尿病に伴う神経変性の
機構を解明し

有効な治療法を確立
することにより

患者のQOL向上および
健康寿命延長に貢献する

糖尿病性神経障害プロジェクト
Diabetic Neuropathy Project

過食、肥満、運動不足、ストレス等の生活習慣を背景として、我が国の2型糖尿病患者数は増加の一途をたどり、その予備群を含めると2,000万人以上に達すると推定されている。その多くは無症状に経過するため、慢性合併症が顕在化するまで放置されてしまうケースも少なくない。

末梢神経障害は合併症の中で最も出現頻度が高く、四肢末端の疼痛やしびれ等の刺激症状は不眠や抑うつの原因ともなる。病期の進行に伴い神経線維が減少すると、逆に感覚が鈍麻し足潰瘍や壊疽を招き、最悪の場合は足の切断に至る場合もある。自律神経障害による重症不整脈、無自覚性低血糖、無痛性心筋梗塞等は、患者の生命予後に影響する。また糖尿病は中枢神経系にも影響を及ぼし、アルツハイマー病をはじめとする変性性認知症の発症リスクを高めることが明らかとなっている。

プロジェクト研究として「糖尿病に伴う末梢神経障害や変性性認知症の機構解明に取り組み、有効な治療戦略を打ち立てる」ことにより、糖尿病患者のQOL向上および健康寿命延伸に貢献する。

トピックス

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2023年6月16日

糖尿病性神経障害プロジェクトの鈴木マリ元研究員らの共同研究グループは、「糖尿病性神経障害モデルショウジョウバエにおけるグリア細胞プロテアソーム機能の関与」についてiScience に発表しました。

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お知らせ

2024.9.7
八子英司研究員が第34回国際糖尿病性神経障害研究会 (Neurodiab2024, Rome, Italy)において、研究成果を発表しました。
2024.9.7
三五一憲プロジェクトリーダーが第35回日本末梢神経学会学術集会において、教育講演「糖尿病関連末梢神経障害の病型分類と病態機序」(鹿児島大学病院総合臨床研修センター・出口尚寿准教授)の座長を務めました。
2024.9.6
三五一憲プロジェクトリーダーが第35回日本末梢神経学会学術集会において、UBE株式会社との共同研究成果を発表しました。また「学会賞候補演題セッション」の審査委員を務めました。
2024.9.1
岡本瑞穂協力研究員(東京工科大学応用生物学部 助教)がメンバーに加わりました。
2024.8.24
八子英司研究員が第33回日本病態生理学会大会において、一般演題「細胞生理」の座長および「博士課程大学院生セッション」の優秀賞審査委員を務めました。

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身近な医学研究情報

ご挨拶

高齢者の健康寿命延伸という観点から、東京都における糖尿病対策は喫緊の課題です。近年、持続血糖測定機器の開発や新たな血糖降下薬の臨床応用により、血糖コントロール(血糖変動の抑制)は飛躍的に進歩しました。それに対し慢性合併症の成因解明・治療戦略は遅れており、いまだに克服すべき課題が山積しています。特に末梢神経障害は慢性合併症の中で最も早期に出現し、痛み・しびれなどの苦痛を自覚しうる疾患として重要です。進行例では逆に感覚の低下から足病変の進行に至り切断を余儀無くされる場合もあります。また全身に分布する自律神経の障害は、不整脈、便秘・下痢、排尿障害などの多彩な症状をもたらします。2型糖尿病においては、血糖コントロールのみでは神経障害の進行抑制が困難であるというエビデンスも示されています。さらにアルツハイマー病をはじめとする変性性認知症も、糖尿病でその発症リスクが高まり生活の質(QOL)低下の要因となることから、その対策は急務です。

当プロジェクトでは、マウスおよびショウジョウバエの糖尿病モデルや神経系細胞の培養系を駆使して、糖尿病に伴う神経変性機構の解明および有効な治療法の開発を進めています。また他研究機関との共同研究や情報交換を推進し、その成果を都政に還元するとともに国内外に向けて広く発信していきます。

高齢者の健康寿命延伸という観点から、東京都における糖尿病対策は喫緊の課題です。近年、持続血糖測定機器の開発や新たな血糖降下薬の臨床応用により、血糖コントロール(血糖変動の抑制)は飛躍的に進歩しました。それに対し慢性合併症の成因解明・治療戦略は遅れており、いまだに克服すべき課題が山積しています。特に末梢神経障害は慢性合併症の中で最も早期に出現し、痛み・しびれなどの苦痛を自覚しうる疾患として重要です。進行例では逆に感覚の低下から足病変の進行に至り切断を余儀無くされる場合もあります。また全身に分布する自律神経の障害は、不整脈、便秘・下痢、排尿障害などの多彩な症状をもたらします。2型糖尿病においては、血糖コントロールのみでは神経障害の進行抑制が困難であるというエビデンスも示されています。さらにアルツハイマー病をはじめとする変性性認知症も、糖尿病でその発症リスクが高まり生活の質(QOL)低下の要因となることから、その対策は急務です。

当プロジェクトでは、マウスおよびショウジョウバエの糖尿病モデルや神経系細胞の培養系を駆使して、糖尿病に伴う神経変性機構の解明および有効な治療法の開発を進めています。また他研究機関との共同研究や情報交換を推進し、その成果を都政に還元するとともに国内外に向けて広く発信していきます。

ラボについて

研究紹介 - Reserch -

プロトコル - Protocol -

研究業績 - Achievement -

スタッフ - Staff -

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