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プロジェクトリーダー 本多 真

国際的なビジネスや交代制勤務が増え、趣味や勉強のためにできれば眠らずに1日を活用したいと考える人も増えています。24時間営業の店も増えて、多様なライフスタイルが可能な便利な社会となりました。こうした現代の生活様式の変化の中で、睡眠時間は年々減少し(日本人の平均睡眠時間は45年間で51分短縮)、また職場などでのストレスや疲労の質的変化もあって、良質な睡眠がとりにくい時代になっています。 睡眠の障害は免疫・防御機構の低下につながります。 また4hr睡眠(睡眠不足)が数日続くだけで、ホルモン分泌が過食に傾き、耐糖能は低下し血圧が上昇するなどメタボリック症候群の準備状態になることが判明しています。睡眠障害は精神疾患や身体疾患の発症や悪化の契機にもなり、さらに日常生活に様々な支障(集中困難、倦怠感、意欲低下、不機嫌など)をきたして、仕事や学業でその人本来の能力が発揮できず社会的不適応にもつながる問題です。

それでは良質の睡眠のための条件は何でしょうか?睡眠の謎を解き明かす睡眠科学の研究は最近長足の進歩をとげています。しかしよい眠りを「心身の回復」ととらえた際に、睡眠により実際に何が回復するのか、すなわち睡眠の機能は何なのか、解明されておらず、また「ぐっすり眠って元気に活動」というメリハリある生活を支える睡眠や覚醒の切り替えはいったいどう制御されているのか、という睡眠の調節も解明されていません。

我々は睡眠覚醒の脳での制御がどうなされているかを生理的な状態および病的な状態において明らかにし、さらによい眠りの条件を見いだすことを目指して、研究に取り組んでおります。