平成30年度 第6回 都医学研都民講座
「加齢に負けないしなやかな脳」
− この都民講座は終了しました。 −
生活習慣から認知症を予防する
東京医科大学 高齢診療科 主任教授 羽生 春夫
高 血圧や糖尿病などの生活習慣病の管理や治療あるいは運動習慣や知的活動、健康的な食生活などによって認知症の発症予防が期待されています。特に、今後増加していく高齢者の認知症のうち過半数を占めるアルツハイマー病は、いまだ根本的な治療法は確立していませんが、生活習慣という観点から予防できる可能性があります。
病気・加齢から脳を守る仕組み
東京医科大学 医学教育推進センター センター長 三苫 博
様 々な病気や加齢によって脳の神経細胞は障害を受け、認知症や運動障害などの神経症状が発症します。これらの治療法は、従来はまったく手掛かりがありませんでした。しかし、近年の研究で「脳には予備能力があり、病気や加齢により失われた機能が、ある程度代償される可能性がある」ことが分かってきました。近年話題の再生医療はこの代償能力をより強化するものと考えられています。この講演では、脳自身が病気や加齢から自分を守る仕組みについて解説し、今出来ることについても考えてみたいと思います。