平成30年度 第7回 都医学研都民講座
「脳卒中の世紀」
− この都民講座は終了しました。 −
燃えさかる!?脳卒中後の炎症の正体
東京都医学総合研究所 脳卒中ルネサンスプロジェクト プロジェクトリーダー 七田 崇
身 体が傷ついた時と同じように、脳が傷ついた時も傷口は腫れて炎症が起こります。脳の血管が詰まったり、破れたりして脳が傷ついてしまう病気である脳卒中でも、脳の中で強い炎症が引き起こされて脳が腫れるのです。脳が腫れると脳卒中患者さんの症状や病気は悪くなってしまいますが、炎症は1週間程度で次第に治まっていき、傷口は治り始めます。つまり脳が傷ついた時に、自然に炎症が起こって治っていくメカニズムは、そもそも脳の中に備わったメカニズムのようなのです。それではなぜ、脳にとって炎症が必要なのでしょう? 一緒に考えて頂ければ幸いに存じます。
脳卒中にならないための健康管理
九州大学大学院 医学研究院 病態機能内科学 教授 北園 孝成
脳 卒中は脳へ行く血管が詰まったり、脳の表面や内部を走る血管が破裂することで、脳に障害が起こって発症します。脳卒中になってしまうと、麻痺や言葉の障害など後遺症が残ってしまい、生活に大きな支障があるばかりでなく、認知症などの原因にもなってしまいます。脳卒中になる方は高血圧、糖尿病、脂質異常症、不整脈(心房細動)など何らかの危険因子を持っておられます。これらの危険因子をきちんと治療することで脳卒中の発症を抑えることが可能です。今回の講演では脳卒中とはどのような病気であるかをお話ししたうえで、脳卒中にならないための健康管理の方法についてご説明いたします。