平成30年度 第8回 都医学研都民講座
「緑内障から目を守るために」
− この都民講座は終了しました。 −
放っておくと怖い緑内障! 早く見つけるためには?
東京慈恵会医科大学 眼科学講座 主任教授 中野 匡
緑 内障は視神経が眼圧などで障害され、徐々に視野が狭くなる病気です。急激に進行する急性タイプもありますが、約8割は症状が徐々に進む慢性タイプの緑内障です。中途失明原因の1位にも関わらず、ほとんどの患者さんはかなり進行しない限り、気付かないことが多い厄介な病気でもあります。緑内障を発症する代表的な危険因子として、近視が強いこと、家族に緑内障の方がいる、老化などが指摘されており、特に近視大国で超高齢化が進む日本では、患者さんの増加は避けられません。本講演では、緑内障を早く見つけることがなぜ大切なのか、その理由をお話ししたいと思います。
最新の研究からわかったこと〜緑内障とうまくつきあうには?
東京都医学総合研究所 視覚病態プロジェクトリーダー 原田 高幸
緑 内障の治療には、すでに多くの点眼薬が利用されています。これらはいずれも眼圧を下げる効果を持つものですが、現在では高眼圧以外にも多くの危険因子があることがわかってきています。視覚病態プロジェクトではすでに他の病気に使用されているお薬や食品の中に、緑内障に有効なものがないか、モデル動物を使った研究を行っています。また視神経を再生させる研究も行っていますので、最近の成果をご紹介したいと思います。