遺伝子解析関連施設


表現型に影響を及ぼす遺伝子の解析

依存性物質プロジェクトでは、 AD/HD、自閉症、アルコール依存、覚せい剤依存、ニコチン依存への脆弱性、モルヒネ鎮痛効果の個人差等には遺伝子が関連しているという考えのもと、ヒトあるいは遺伝子改変マウスの遺伝子変異が表現型に与える影響の解析を進めています。 遺伝子解析に用いるゲノムDNAは、ヒトは口腔粘膜あるいは血液、マウスは組織からそれぞれ抽出・精製します。 得られたゲノムDNAを用いて様々な解析を行います。 遺伝子の網羅的多型探索には、一度に100万SNPs(1塩基多型)の検出が出来る iScanシステム(illumina)を導入しています。 TaqMan(TaKaRa)法によるSNP検出、遺伝子発現解析にはリアルタイムPCR装置(Roche)を、新規多型探索や配列の確認にはキャピラリーシークエンサー(Applied Biosystems)を使用しています そのほか、遺伝子改変マウスのジェノタイピングなどゲノムの増幅に必要なサーマルサイクラー(ASTEC)を保有し、効率的に実験ができるようにしています。


Illumina社製  iScan 高速マイクロアレイスキャナー

DNAマイクロアレイとは、既知の遺伝子断片をガラス板(チップと呼ぶ)に固定させたものです。 そこに未知のゲノムDNAをハイブリダイズさせ、蛍光で標識し検出します。 SNPタイピングの場合、各アリルごと2色の蛍光を用います。



Roche社製  Light Cycler 480ⅡシステムリアルタイムPCR装置

リアルタイムPCR法とは、PCRの増幅量をリアルタイムにモニターし解析する方法のこと。装置はサーマルサイクラーと分光蛍光光度計が一体となっています。


Applied Biosystems社製  3130xL 16キャピラリーシークエンサー

DNAシークエンスとはDNAの塩基配列を決定すること。 鋳型DNAを複製酵素を用いて増幅します。 このときそれぞれの塩基の位置で合成が止まるような反応系(ターミネーター(末端)を各塩基ごと異なる4色の蛍光色素で標識)にすると、1サンプルを1本のキャピラリー電気泳動で分離、各蛍光を検出、塩基配列を決定することができます。 下の装置では、いちどに16サンプル、600塩基程度のシークエンスが、1時間でできます。


ASTEC社製 サーマルサイクラー