第28回日本口腔顔面痛学会学術大会 優秀ポスター賞を受賞

2023/11/20

依存性薬物プロジェクトの新井田惇研修生が、第28回日本口腔顔面痛学会学術大会において、優秀ポスター賞を受賞しました。

優秀ポスター賞は、2023/11/17-19 に福岡で開催された第28回日本口腔顔面痛学会学術大会において、学術的価値が高く本学会の発展に寄与する優れた内容と認められた演題に対して授与される賞です。


新井田惇 研修生

PRTFDC1 発現に関わる rs12411980 一塩基多型は幻歯痛と有意に関連する

*新井田惇1,2, 大岡静衣2, 西澤大輔2, 添田萌1,2, 長谷川準子2, 中山京子2 江畑裕子2 福田謙一1,2, 池田和隆2

  1. 東京歯科大学 口腔健康科学講座 障害者歯科・口腔顔面痛研究室
  2. 公益財団法人 東京都医学総合研究所 依存性物質プロジェクト

非歯原性歯痛の1つである神経障害性歯痛の中に、適切な抜髄処置や抜歯術後に稀に生じる、幻歯痛(PTP)がある。 PTPの原因は不明であることから、PTP発症の遺伝的要因を調べた。 結果から、rs12411980 SNPのマイナーアリルホモであるGG遺伝子型が幻歯痛の発症と有意に関連することが示唆された。 GPR158遺伝子領域にあるrs12411980 SNPと連鎖不平衡であるrs2765697 SNPは、Phosphoribosyl Transferase Domain Containing 1(PRTFDC1) の遺伝子発現との関連を示す発現量的形質遺伝子座 (eQTL)であり、マイナーアリルホモ遺伝子型でPRTFDC1発現が有意に上昇する。 一方、rs2765697 SNPのGPR158遺伝子発現に対するeQTLは報告されていない。 rs2765697 SNP と連鎖不平衡であるrs12411980 SNPもPRTFDC1発現に関連すると考えられ、rs12411980 SNPのマイナーアリルホモ遺伝子型では、PRTFDC1 mRNA発現量増加に伴いPRTFDC1蛋白質発現量が増加すると考えられる。 既報の論文によると、PRTFDC1蛋白質発現量増加によりプリン誘導体であるヒポキサンチンが増加し、ɤ-aminobutyric acid (GABA) 受容体を阻害することで疼痛抑制が解除されることから、PRTFDC1発現量増加が幻歯痛を引き起こす可能性が考えられる。







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