講演要旨
光るタンパク質で科学を、社会を激変する!
大阪大学 産業科学研究所 教授 永井 健治
我々は発光生物が有する生物発光の仕組みを導入することで自ら発光する植物の開発を進めています。これまでにタバコやポプラなどの自発光化を実現しました。まだ裸眼で発光がようやく見える程度の明るさに過ぎませんが、今後発光強度を増強させることで電力を利用することなく街や家の中を照らすことが可能な照明デバイス(LEP)を創出したいと目論んでいます。本講演では、LEPを開発するための基盤となる生物発光現象やその現象の要である発光蛋白質に加え、その発光量を増加させ、発光色を改変する技術などを解説すると共に、電力漬けの現状からは想像もつかない「電力を(極力)使わない未来社会」の実現に向けた展望をお話しします。
「時」をカウントする体内時計の仕組み
東京都医学総合研究所 体内時計プロジェクト プロジェクトリーダー 吉種 光
生物は、秒単位から年単位に至るまで、さまざまな時間スケールでリズムを刻んでいます。たとえば、私たちの心臓はおよそ1秒に1回拍動しています。春には桜が咲き、冬にはクマが冬眠します。こうした年周期の季節変化にも、生き物のリズムが表れています。夜になると眠くなり、朝になると目が覚めるといった1日のリズムは、生物が体内に「概日時計」を持ち、24時間を自らカウントしているためです。では、生き物はどのようにして、これら多様な「時」を感じ、数えているのでしょうか。本講演では、私たちの体内に備わった時計の仕組みについて、最新の研究を交えながらご紹介します。