2023年度 連携大学院生の声

~都医学研に来たきっかけ、これから目指すこと~

─よろしくお願いします!まずは、大学院へ進学した動機を聞いてもいいですか?

正田)学部生の頃から大学院進学は決めていました。
教職課程を履修していたとき、授業の中で精神疾患に興味をもったことで、精神医療の分野で大学院に進学しようと考えました。大学時代の友人たちも大学院を選択する方が多かったこともあり、大学院進学の心理的なハードルは低かったです。

─現在、博士2年ですが、博士課程まで進むことはいつから決めていましたか?

正田)大学院進学を選んだ時点で、博士課程まで進むことは決めていました。家族も賛同してくれました。

─なるほど。では、大学院に進むにあたって、東京都医学総合研究所(以下、医学研)を選んだ理由をお聞きしてもいいですか?

正田)学部生の頃は、大阪の大学に在籍していました。学部のときから興味を持った分野を専攻していましたが、お世話になっていた先生の定年退職に伴って、外部の大学院を探すことになりました。そのときに見つけたのが医学研です。

─糸川先生や、指導教官の新井先生はどんな先生ですか?

正田)お二人とも頼れる先生です。
先生から声をかけていただいて論文やポスター発表の練習に付き合ってもらえましたし、非常にお世話になっています。

正田さん

─頼れる先生がいるのは心強いですね。お二人の下で、正田さんはどんな研究に取り組まれていますか?

正田)マウスを用いた統合失調症の発症メカニズムの解明を目指して研究しています。
とくに社会的なストレスと脳の糖化、統合失調症の3つの関連性について研究しています。

─統合失調症は誰もが発症する可能性がありますし、ストレスも無縁な方はいないので、意義深い研究ですね。続けて、医学研の良いところもお聞きしていいですか?

正田)大学の研究室よりも外部とのやりとりが多いところが良かったです。他の研究機関の先生とのやりとり以外にも、理化学用品の業者の方とも直接やりとりできるのは良い経験になっていると思います。

─統合失調症での外部とのやりとりする機会とは、どんなものですか?

正田)他大学と共同研究しているラボのメンバーはミーティングを重ねています。また外部の機関ではないのですが、私自身も医学研の心の健康ユニットのコホート研究に補助として参加できて、他ではできない経験が積めていると思います。

─逆に悪いところはありますか?「外部機関とのやりとりは多くても、学生が少なくて交流する機会がない」などありませんか?

正田)いえ、私の所属する統合失調プロジェクトは、3つの大学から学生が集まっていますが、メンバーの関係は良好です。みんなで鍋を囲んだり、もんじゃを食べに行ったり、風通しの良い環境だと思います。研修生控室もあって、他ラボに所属の学生とも話せる環境もあり、むしろ内部進学では得られなかった環境は利点だと感じます。

─大学院を卒業した後のキャリアプランは考えていますか?

正田)今は企業に就職を考えています。ここでの経験を活かして企業研究者としてのキャリアを積みたいです。今いる東京や、地元の大阪だけにこだわらず、国内外で必要とされる人材を目指します。

─今後、博士論文が控えているかと思いますが研究の進捗はいかがですか?

正田)今は行き詰っているところです(笑)。統合失調症の症状改善について明らかにすることはできたのですが、メカニズムについてはまだ研究の余地があるので、さらに掘り下げられるよう頑張ってみたいです。

─研究に行き詰ったときのストレス解消法はありますか?

正田)テニスはずっと続けているので、テニスで体を動かして発散しています。

正田さん

─今後の目標をお聞かせください

正田)予防、治療、予後までをワンストップでアプローチすることでQOLの向上に貢献したいと考えています。企業に就職しても、このアプローチから精神疾患に関わることができればうれしいです。

─最後に医学研で修士・博士研究を考えている方にメッセージをお願いします

正田)医学研は多様な人と関わることができる環境で、自分の視野を広げることに役に立つと思います。もちろん技術や知識も高められる環境です。研究熱心な方が多いので、研究に没頭したい方にピッタリの場所ではないでしょうか。

─ありがとうございました!