感染制御プロジェクト|インフルエンザ・デング熱及び肝疾患に対する予防と治療

  • 医学研ロゴ

Reserch - Hepatitis C virus

Hepatitis C virus

C型肝炎ウイルスとは?

HCV粒子の電子顕微鏡象

現在、本邦において、年間3万5000人が肝疾患で亡くなっています。その75%はC型肝炎ウイルス(HCV)に起因する肝硬変・肝細胞癌などの肝疾患が原因です。

HCVは、nonAnonB肝炎の原因ウイルスとして1989年に同定され、フラビウイルス科ヘパシウイルス属に属する+鎖のssRNAウイルスです。その病原性の発現機序やウイルスの生活環は依然として不明な点が多く残されています。


我々が目指していくもの

HCVの病原性およびその生活環の解析には、実験モデルが必要不可欠です。これまで、細胞レベルではレプリコン細胞、そして劇症肝炎から分離されたJFH-1株を使用した感染細胞系が確立されてきました。しかしながら、感染細胞系がgenotype 2のJFH-1株のみでしか成立しておらず、今後、genotype 1での感染細胞系の確立が求められています。また、動物モデルはチンパンジーやヒト肝臓型キメラマウスなどが開発されていますが、まだまだ解析系としては不十分です。そこで、我々はHCVモデルマウスの作成を試み、HCVの病原性発現機序の解析を行っています。

HCVレプリコン

一方、近年ペグインターフェロン及びリバビリンの登場により、治癒率が上昇しましたが、本邦で最も多いとされているgenotype 1においては依然として治癒が難しい状況です。さらに、インターフェロンやリバビリンを使用した治療は副作用を伴い、治療そのものが完遂できないことが多いです。そこで我々は、より効果的であり、副作用の少ない治療薬の開発を進めています。




HCV動物モデル HCV model

C型肝炎ウイルスの in vitro、 in vino におけるモデル


HCVと脂質の関わり HCV&lipids

C型肝炎ウイルスと脂質の関わり、さらにそれを利用した anti-HCV drug の可能性