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開催報告第28回多摩キャンパス神経カンファレンス

鈴木マリ研究員

鈴木マリ研究員

2018年9月14日(金)17:30から、東京都立神経病院において、第28回多摩キャンパス神経カンファレンスが開催されました。今回の主催は医学研であり、実行委員である山形要人研究員が演題募集からプログラム作成まで担当されました。プログラム

東京都立府中療育センターからは、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)による肝硬変を合併した裂脳症の1例を発表しました。中枢神経系や各種臓器の標本作成は神経病理解析室の小島利香・技術研究員が担当しました。その他、東京都立神経病院、東京都立小児総合医療センターから診断困難であった臨床例について発表があり、病院横断的なディスカッションが深まり、とても有意義であったと思います。

医学研からは、糖尿病性神経障害プロジェクトの鈴木マリ研究員が「パーキンソン病リスク遺伝子GBAによるαシヌクレイン毒性増悪のメカニズム」というタイトルで発表を行いました(写真)。内容としては、ゴーシェ病の原因遺伝子であるGBA(グルコセレブロシダーゼ)遺伝子変異がパーキンソン病発症と密接に関っていること、および、ゴーシェ病治療薬がパーキンソン病治療に応用されるための治験が行われている話題など、基礎から臨床応用までのホットな話題を紹介されました (図)。

図

GBA遺伝子変異をもったパーキンソン病の患者割合は、全体の5〜10%を占めるようで、決して稀な遺伝子変異ではないため、パーキンソン病の治療戦略的には、重要な研究課題であるとの認識を新たにしました。

なお、次回は府中療育センターのお世話で、2019年3月1日に開催される予定です。

新井信隆(多摩キャンパス神経カンファレンス世話人)