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2019年度 第4回 都医学研都民講座
山形 要人
自 閉症は他者とうまくコミュニケーションができない、興味や活動がかたよるという特徴があり、こどもの自閉症では知的な遅れをともなうケースも多いです。私たちはこのしくみを明らかにするため、自閉症と知的障害を起こすヒトの病気と同じ遺伝子に異常のある動物を作りました。この動物を調べることで、脳内メカニズムの一端を明らかにし、それにもとづく治療薬の開発を目指しています。本講演では、この動物のシナプス(神経細胞同士の接合部)の異常や、それを改善する化合物がマウスの行動異常も回復させることなどをお示しし、治療薬開発の現状をお話します。
加藤 進昌
自 閉症の病態解明は世界的にも大きなテーマです。しかし自閉症の本質は何かについて臨床的に確立されたものはありません。最新の国際診断基準でも、知的に低い古典的自閉症(カナー型)から定型発達者に見られる「変わった人」まで包含する自閉症スペクトラムと言う曖昧な概念でくくられてしまい、さらに混迷しています。研究的にも動物研究はカナー型を想定する一方で、脳画像研究は知的に高いアスペルガー症候群が主役になることが多く、双方のモデルに乖離が見られます。私たちは、その中でアスペルガー症候群を対象とした研究を中心に行っていますので、その概要をご紹介し、自閉症スペクトラムの本質に少しでも迫ってみたいと思います。
日時 | 2019年9月27日(金) 午後6時半~8時 (開場午後5時半) |
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場所 | 烏山区民会館ホール (最寄駅 京王線千歳烏山駅) アクセス情報はこちら |
定員 | 350名様 入場無料 |