新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連

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2020/07/17

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の眼所⾒

文責:原田 高幸

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のアウトブレイクにより、世界中で感染者数が増大していますが、眼症状に関する報告はほとんどありません。そこで今回は2020年2月に中国の湖北省で行われた研究成果をご紹介します。

JAMA Ophthalmology 138(5):575-578, 2020.

COVID-19が臨床的に確認された患者38例について、⿐咽頭と結膜の拭い液(スワブ)のPCR検査を行いました。25例が男性、13例が女性で、平均年齢は65.8歳でした。⿐咽頭スワブを⽤いたPCR検査では38例中28例(73.7%)、結膜スワブでは2例(5.2%)にCOVID-19陽性所⾒が得られました。

患者38例中計12例(31.6%)で結膜充⾎、結膜浮腫、流涙、分泌物増加など、結膜炎に⼀致する眼症状が認められました。眼所⾒のあった12例中11例(91.7%)では⿐咽頭スワブを⽤いたPCRの検査結果が陽性であり、2例(16.7%)では結膜と⿐咽頭スワブのいずれもが陽性でした。

また眼症状のある患者では、眼症状のない患者に⽐べて、⽩⾎球数や好中球数が⾼く、プロカルシトニン、C反応性蛋⽩、乳酸脱⽔素酵素の数値も⾼い傾向がありました。

この論文ではCOVID-19患者の約1/3に眼所⾒がありましたが、これはより重症の患者で観察されました。涙液中のウイルス保有率は低かったものの、眼を介しての感染可能性はあることがわかります。ただし現在米国やヨーロッパで蔓延しているウイルスは遺伝⼦変異をした可能性も指摘されていることから、各国での報告が待たれるところです。

ここからは身近なお話ですが、毎年夏に流行する結膜炎として、アデノウイルスによる「はやり目(流行性角結膜炎)」や「プール熱(咽頭結膜熱)」があります。涙や目やにが出たり、まぶしいなどの症状があるのですが、まぶたは腫れ、結膜はむくみ、充血がみられるなど、新型コロナウイルスによる結膜炎との区別はほぼ不可能です。ちなみに「はやり目」や「プール熱」は治るまで、小学校などでは登校禁止になっています。もし発熱を伴う結膜炎になった場合はきちんと診察を受け、症状が落ちつくまでは、登校や出勤は控えることも検討する必要がありそうです。