人間の身体って、何からできているの?
赤ちゃんの身体は、約80%が水分でできているのよ。
成長するにつれ、だんだんと減って、成人男性では水分が60%、たんぱく質が約18%、脂肪が約16%、ミネラルが約6%なのよ。
赤ちゃんの身体が約80%が水分なんて、すごい、ほぼ水分じゃないですか〜!
そうなのよ。赤ちゃんは新陳代謝が活発なので、大人の約3倍も汗をかくの。だから、水分補給がとても重要なのよ。発熱や猛暑で赤ちゃんが脱水状態になりやすいのはそのためなの。
17世紀にイギリスのロベルト フックがコルク樫の樹皮を顕微鏡で観察したところ、小部屋に分かれていることを発見し、Cell(細胞)と名づけました。
そして人間の身体の構造と機能の最小単位は細胞なの。神経細胞や血液細胞など様々な細胞が私たちの身体を作っているのよ。
ここで問題です。私たち人間の身体は、何個の細胞でできているでしょうか?
Bの3700億個くらい?
正解は、Dの約37兆個です。
また、1個の細胞が何回分裂すると35兆個以上になるでしょうか?
えー。こんなに少ない回数で、そんなに増えるの?
正解はDの100回です。
細胞の大きさは種類によって違って、大腸菌は2μm、分裂酵母は5μm、ヒト癌細胞のHeLa細胞は5~10μmです。
細胞の中には何があるのですか?
左が動物細胞で、右が植物細胞になります。
どちらにも共通して核があり、その中にはDNAが収納されています。
そのほかに、エネルギーを作るミトコンドリアや小胞体、核小体、ゴルジ体なども共通してあります。
植物細胞では、さらに液胞や光合成に必要な葉緑体があります。また細胞と細胞の間には、細胞壁とよばれる厚い壁があります。ロベルト フックが顕微鏡でコルクを観察したときに見えたのは、この細胞壁になります。
動物細胞と植物細胞には、共通して「核」があって、その中に「DNA」があるんですね!
DNAはデオキシリボ核酸の英語の略語で、生命の設計図として、遺伝で重要な役割を果たしています。
1953年にワトソン博士とクリック博士がDNAは二重らせん構造をとっていることを発見しました。
DNAは「塩基」と呼ばれる単位が繰り返し並んでできている長いテープ状の化学分子です。DNAの中では、互いに向き合った2本のテープ上のAとT、CとGが決まったペアをつくって結合しています。
DNAは、4種類の塩基と呼ばれる単位、すなわち、A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)が、互いに向き合ってなら んだ2本の鎖のようなものです。このA、G、C、Tのならびを塩基配列と呼びます。そして、塩基がさまざまな順番でならぶことによって生命の設計図が描かれているのです。
DNAは2本の鎖上のAとT、CとGが決まったペアをつくって結合しているので、1本の鎖の情報があれば必ずもう一方の鎖を作ることができます。この反応を複製といいます。
生物はこの原理を使って、親と同じ設計図をコピーして子へ伝えていきます。人間のDNAでは、このA、G、C、Tのペア(塩基対)の数は約30億もあります。
これら遺伝子の総体をあらわしてゲノム(Genome)といいます。
次からは、ゲノムについて詳しくみていきましょう。
はーい