先生、新型コロナウイルスはこれまで
アルファ株、ベータ株、デルタ株、そしてオミクロン株と、何度も形を変えています。
また、将来、新しいタイプも生まれるかもしれないと言われています。
なぜ、新型コロナウイルスは、こんなに変わり身が早いのですか?
そうね。それを知るためには、
新型コロナウイルスがどうやって増えていくかを、まず理解する必要がありますね。
新型コロナウイルスは、どうやって増えるのですか?
それを勉強する前にまず、
私たちの体の遺伝情報が、どのように増えるかを勉強しましょう。
お願いします!
まず、遺伝情報って何ですか?
DNAですよね?
DNAはどんな形しているか学校で習いましたか?
2本の鎖からできている二重らせん構造ーーですよね?
その通り!
じゃあ、塩基と言われている遺伝情報の文字はいくつあったかな?
A、G、C、Tの4文字ですよね?
その遺伝情報は、どんなふうに2本の鎖に並んでいるのか覚えていますか?
たしか、AとT、GとCがペアを作っていたのでは?
そうですね。よく覚えていました。
Aの反対側にT、Cの反対側にGがくるので、一つの鎖の並び方が決まると、
もう一方の鎖の並び方も決まります。
DNAが増える時は、
いつも半分は元のDNAからきていて、
半分だけ新しいのができる、ということを習ったように思います。
DNAのコピーをつくるプロセスはとても正確です。
10億回に1〜2回しか間違えないと考えられています。
信じられない正確さですね。
でも、DNA合成酵素そのものは、1,000回に1回くらい間違えます。
間違えたら、大変ですよね?
間違えても大丈夫。
DNAをコピーするタンパク質の近くで、間違っていないか、
いつも『校正者』がチェックしてます。
間違えても、教えてくれるんだ!それなら安心ですね。
そうなのよ。校正者付きで、
間違える確率は、100万回に1回くらいまでさがります。
それでも、10億回に1回まではいきませんね。
でも、私たちの体の細胞は、もうひとつ奥の手を持ってるのです。
えっ?奥の手?それは何ですか?
間違った文字を取り込んでしまっても、
それを、見つけ出してくれる『修繕屋』さんがいるのです。
間違いを後で見つけてくれるのですか?
『修繕屋』さんはいつもパトロールしていて、
間違ってとりこまれた文字をみつけると、やってきてそれを修繕してくれるのよ。
ヒトの細胞の遺伝情報は、何個の文字から、できているか覚えてる?
ええっと、確か30億個ではなかったですか?
その通り。
細胞は、いま説明した、いろいろな方法を駆使して、
30億個の文字のコピーをする間に、数回しか間違えないの。
すごい、正確さですね。
それでは、次に新型コロナウイルスの遺伝情報がどのようにコピーをつくるか、
勉強しましょう!