2020年度 連携大学院生の声

~都医学研に来たきっかけ、これから目指すこと~

都医学研を志望したきっかけ

私は、出身大学の理学部に在学中、学科の講義で勉強した脳機能の内容をきっかけに心理学への興味を抱き、大学で受講可能な多くの講義を履修しました。授業中精神疾患の病態や病因について学んだ経験から、精神疾患の多様な症状と未だ解明されていない病因について惹かれ、自分が学んできた生物学の知識を活かした精神疾患の病因に関する研究をしたいと考え始めました。しかし、所属する大学では精神疾患関連の研究室がないため、外部の研究室を探し始めました。大学院の説明会などに参加し、先輩を通じて情報収集をしながら、今の研究室を見つけました。都医学研には精神科の医師と基礎研究の研究者がいらっしゃり、臨床研究と基礎研究を同時に学ぶという大学ではなかなか見られない環境にとても心惹かれました。基礎研究をしていると、よく周囲の人に「これはどう役に立つの?」と聞かれますが、この研究室なら臨床研究のデータを見ながら自分の基礎研究の視点を修正できるばかりでなく、自分の研究の重要性をより強く認識することができると考えています。

研究の目標

王さんフォト

現在は社会敗北ストレスモデルマウスを使い、天然物由来化合物が統合失調症の予防・治療薬としての可能性とその分子メカニズムについて研究をしています。まだ明らかになっていないことが多いですが、最終的に統合失調症の発症分子メカニズムの解明について貢献できればと思いながら研究を進めています。最近は研究員方の研究紹介を聞き、マウスだけではなく、死後脳研究や細胞研究にも興味を持っており、研究員方からたくさん教えていただき、改めて一つの研究室で臨床研究、細胞研究、死後脳研究と動物研究など様々分野の研究が進んでいることに心を動かされています。

自分を成長させる機会に

王さんフォト

都医学研では毎月外部の先生に講演していただくセミナー、年に一度の所内発表会や年に数回の国際シンポジウムが開催されています。いろんな分野の専門家の話を聞けるチャンスや大学院生が発表できる場が大学に比べ、とても多いです。さらに、学会発表への支援も受けられます。そのため、異なる分野の話を聞くことで幅広い専門知識を蓄えられるだけではなく、発表の方法や研究に関する論理的思考力を身につけることが可能です。また、異なる研究室の大学院生が共同に使用する学生控室もあり、そこで大学も研究テーマも異なる学生と交流することで、研究だけでなく、就活や進学の話もできることに喜びを感じています。