2021年度 連携大学院生の声

~都医学研に来たきっかけ、これから目指すこと~

宇田川さん

都医学研を志望したきっかけ

宇田川さん

小学生の頃に弟が病気で入院したことと高校生の頃に祖父を病気で亡くしたことをきっかけに、私は生物学、特に人間の病気に興味を持ち今の専攻に生物科学を選びました。学部3年生の時に卒業研究先を選ぶ説明会があり、所属する大学の研究室以外に外部の研究室として都医学研を選べることを知りました。私は、漠然と人間の病気に関わる研究を行いたいと考えていたため、すぐに学部の教授と相談し、訪問させていただきました。そこで、研究所内・研究室内の充実した設備や環境を見て、都医学研で研究したいと考えました。数あるプロジェクトの中で、ユビキチンプロジェクトの研究内容が大変に興味深かったので、この研究室を選びました。入室当初は教科書や授業で扱われる基礎的な知識しかなかったので不安でしたが、チームの先生や研究員、先輩から最先端の実験機器の使い方から研究についてまで幅広く指導いただいています。また、チームディスカッションでは、自分の実験や研究を説明し、それに対して意見をもらうことで、自分で学ぶ以上にさらなる学習の機会をいただいています。環境はもちろんですが、ほかのチームの先生方やほかの学校の学生とも交流する機会があり、学内の研究室では味わえないような充実した研究生活を送っています。私は都医学研を選んでよかったと思います。もし興味が少しでもありましたら、ぜひ研究室選びの選択肢の一つに考えてみてください。

研究内容および目標

宇田川さん

現在、私が所属するユビキチンプロジェクトでは、高齢者に多い神経変性疾患として知られているパーキンソン病の中でも、家族性パーキンソン病(遺伝的な要因があり、家系発症するもの)に関する研究を進めています。学生でも独立したテーマをもって研究を進めており、私は「DJ-1(PARK7)遺伝子の変異によって、どのようにDJ-1タンパク質が本来の機能を失い、パーキンソン病を引き起こすのか」を生化学的な手法を用いて調べています。このように、私は自身がずっと目指していた人間の病気に関わる研究に関わることができています。現在解析を行っているDJ-1タンパク質の特徴や性質を紐解くことで、パーキンソン病の発症機構の理解が進み、さらに変異タンパク質の安定性を制御できる物質を発見できれば、治療方法の確立や薬の開発の糸口をつかめると信じて、研究に取り組んでいます。