齋藤)きっかけは大学1年生のときに参加した連携大学院説明会です。各研究室のポスターセッションがあり、魅力的なテーマの研究が数多く紹介されていて、その中でも、興味のあった「再生医療」「ゲノム編集」という言葉に惹かれました。宮岡先生(再生医療プロジェクトリーダー)はとてもフレンドリーな方で、早く研究に触れたいということを伝えると、インターンシップ生として受け入れてくださいました。
齋藤)はい。高校まではあまり実験の経験はなかったのですが、生物の授業で興味を持ち、将来は大学院でも研究したいと考え、理学部のある大学に進学しました。大学受験の頃は、まだ医学研のことは存じ上げませんでしたが。
齋藤)説明会の日に初めてiPS細胞を見た時の感動は今でも忘れられません。インターンシップ生として研究員の方の丁寧な指導のもと、研究のお手伝いをする中で、実験の手法や研究の考え方を学び、大学院でも研究を続けたいという気持ちが強まりました。再生医療プロジェクトの研究が楽しく、興味が深まったので、大学院は宮岡先生が指導教官を務められている東京医科歯科大学大学院を選びました。
齋藤)とても理想的な環境だと思います。
齋藤)一番いいところは、熱心な研究者の方々が身近に数多く在籍していることだと思います。まず、研究室内の研究員の方がそれぞれ学生の指導を担当してくださるので、困った時はすぐに相談することができます。大学では先生に対して学生の人数が多いため、ここまで密な指導は珍しいのではないでしょうか?また、各分野で最先端の研究をしている研究者の方々に直接お話を伺うこともできます。実際、私は認知症プロジェクトやカルパインプロジェクトの先生方に実験の手法を相談して研究を進めています。皆さんとても親身になって、丁寧にアドバイスをくださいます。大学から外部の研究者に連絡を取るのはなかなかハードルが高く、時間もかかってしまいます。医学研という一つの機関にいるからこそできることなので、とても贅沢な環境だと感じています。
その他にも、設備が充実していてスムーズに実験を進められることや、RA(リサーチ・アシスタント)制度があり研究に集中できることなど、たくさんの利点があります。
齋藤)現在は、孤発性(複数の遺伝子や環境が関係する)アルツハイマー病の研究を行っています。その危険因子として知られているAPOE4という遺伝子に注目しています。再生医療プロジェクトが得意としているのは、ゲノム編集とデジタルPCRを組み合わせて、編集した細胞を単離することです。この技術を利用して、iPS細胞のAPOE3遺伝子をAPOE4に編集した細胞を単離しています。さらに、そのiPS細胞を神経細胞へ分化させ、表現型を解析します。将来的には、アルツハイマー病のモデルとなる細胞を完成させ、発症メカニズムの解明や治療薬スクリーニングに貢献できたら嬉しいです。
齋藤)医学研は研究をしたい方にとって最善の選択肢の一つだと思います。少しでも興味を持たれた方は是非見学にいらしてくださいね。