医学研はヒト由来検体を用いた脳病理研究を、より一層合理的かつ効率よく遂行してゆくため、神経病理解析室 Laboratory of Neuropathology(以下LONP)を設置する。
センターの特色は、
であり、これらを土台として、プロジェクト研究、病院連携研究、外部資金研究などを推進する。
また、このような大規模かつ網羅的な神経疾患の標本・資料、それらを生み出す技術を結集させることによって、日本病理学会、日本神経病理学会等の中核施設としての役割を果たすことも学際的な使命である。
神経標本作成による診断および研究に関して、都立病院、公社病院、監察医務院など東京都の施設との連携を強化してゆき、都民への還元を迅速に行なえるためのネットワークを発展させてゆく。現在すでに活発な活動が行われている連携には、神経病院と医学研(てんかん病理、脳腫瘍病理、神経難病、定位脳外科用の脳アトラス作成)、松沢病院と医学研(認知症/統合失調症)、府中療育センター・小児総合/多摩総合医療センターと医学研(てんかん病理、こどもの脳)などがある。
大型病理標本の作成のため、切出室、薄切室をコアスペースとして原則共用化し、機器などを共同利用する。また、基盤技術研究センター・ヒストロジー支援室等と相互協力できるよう調整する。
デジタルパソロジーステーションにはバーチャルスライド機器および遠隔病理診断用のコンピュータ端末ブラウザなどを設置し、脳神経系疾患の病理デジタル画像のデータベースの管理・運営を行う。それらのデジタルデータのメインサーバーをインターネットに接続し、教育・研修の支援活動、遠隔病理診断支援などを推進する。
病理標本室に保管する標本、パラフィンブロックおよび研究資料(神経研、精神研で登録された約5,000例)は国内外最大級のライブラリである。今後、これらの研究資産をプロジェクト研究や研修/教育活動などに活用する。