学術支援室 笠原 浩二
東京都は「科学技術週間」期間中、4月18日、19日に小・中学生を対象とした科学技術イベント『Tokyo ふしぎ祭(サイ)エンス 2026』を日本科学未来館で開催しました。青少年やその保護者等、都民の科学技術への更なる関心と理解を深めるとともに、科学技術の振興を図ることを目的とし、18のコンテンツが実施されました。
当研究所は、18日に「DNA博士になろう!」と題し、3つの体験型企画を実施しました。
企画1「ブロッコリーからDNAを取り出そう!」では、ブロッコリーをすり潰しDNAを抽出し、エタノールを加えるとDNAが白い沈殿として見えてくる実習です。はじめにイントロダクションとして体内時計プロジェクトの大学院生コンビの佐藤丈瑠さんと中村宇太郎さんが「遺伝子とDNA」について解説しました。小学生相手のイベントとして、遺伝子の妖精「デオキシリンリン」とお友達の「博士」にふんし、子供たちを飽きさせない絶妙な掛け合いで大変盛り上がりました。その後の実習では、白く浮き上がってきたDNAを見て楽しそうな様子で「触ってもいい?」「ちょっとネバネバしてる!」という声が子供たちから聞こえました。親御さんからは、「ブロッコリー以外では何が使えるのですか?」という質問が多く出ました。
企画2「DNA鑑定で犯人を捕まえよう!」では、ストーリー仕立てで、DNAの「電気泳動」という科学者が実際に行っている分析手法を体験してもらいました。光るDNAを観察しミステリーを解き明かすドキドキの実習で、再生医療プロジェクト宮岡佑一郎リーダーの指導のもと大学院生の安田有冴さんと篠﨑佳代子さんが分かりやすく解説しました。犯人が見つかったとき参加した小学生から大きな歓声が上がり、大いに盛り上がりました。DNA鑑定の話は、親御さんたちの関心を特に引いているようで、電気泳動したゲルの写真と配布したプリントをもとに「家で復習します!」や「小学生向けだけど(聞いていて)大人でも難しい!」などの言葉をいただきました。
企画3「DNAの二重らせんを作ろう!」では、ビーズを使って DNA の二重らせんストラップを作成しました。「らせん構造は逆向き(逆方向の巻き方)の人もいるんですか?」や「(アデニンAとチミンT、グアニンGとシトシンCの組み合わせで適当に並べつつ)この並びのDNAを持つ生き物も、探したらどこかにいますか?」など洞察力の高い質問をしてくれました。また小2の男の子は「デオキシリボースでしょこれ。」「これがねプリン*なんだけど、お菓子のプリンじゃなくて、DNAのプリン!」と楽しんでくれている様子でした。
(*プリン体:DNA核酸にはAとGのプリン塩基とCとTのピリミジン塩基という2種類の塩基が含まれています。プリン塩基は代謝されると尿酸にかわり、たまり過ぎると痛風の原因になります。)
ご参加されたお母様と二人の子どもさんからは、「楽しかったね。ママも楽しかった。」と大変嬉しいご感想をいただきました。また親御さんからは、医学研で独自に実験教室をやっていないか聞かれました。さらに、大学のどの学部に行けばいいか、などと学生スタッフとお話ししているケースも見られました。ご参加いただいた約300名の皆様方が、今回の体験をきっかけに、少しでも科学に興味を持っていただけたら幸いです。東京都医学総合研究所は、今後もこのような体験を通じて、青少年や都民の皆様が科学の面白さや重要性を体感できる機会を積極的に提供してまいります。
