編集後記

編集後記


猛暑の最中の 7月 23日に田中啓二理事長が急逝されました。あまりにも急なお別れで、誰も心の準備ができておらず、1ヶ月たった今も、毎朝、田中先生がひょっこりと理事長室にお越しになるような気がします。ここ2年間くらいお酒を控えておられた先生、もう一度一緒にお酒を酌み交わすことができる日を心待ちにしていました。しかし、それももう叶わない。日々の何気ない会話、相談するといつも親身にくださったアドバイス、そして時にいただいたお叱り-もうどれもお聞きすることはできません。

私たちにとって、心がちぎれそうな悲しみに苛まれた 2024年の夏。例年にも増して暑さが厳しく、夏の終焉を告げるように、連日のようにゲリラ豪雨や、雷雨の被害が報告されています。自宅の近くの蓮池の花もいつの間にか、朱い花より花托が多くなりました。世界中の研究者から敬愛された田中先生の優しい笑顔と、教えを胸に、私たちはさらに研究に励み、先生が愛した東京都医学総合研究所が益々発展するよう、皆が力を合わせて努力する所存です。

田中啓二先生、どうか天国から私たちを見守っていてください。 (正井久雄)