開催報告

Tokyo ふしぎ祭(サイ)エンス 2023(2023年4月22日 開催)


学術支援室 笠原 浩二
研究技術開発室 西村 友枝

東京都は「科学技術週間」(2023年4月17日~23日)期間中の 4月22日(土曜日)に、小・中学生を対象として科学技術に親しむイベント『Tokyo ふしぎ祭(サイ)エンス』を日本科学未来館で開催しました。新型コロナウイルス感染拡大に伴い 2020年以降は対面での開催はかなわず、子供たちが参加しての開催は、2019年以来になりました。東京都医学総合研究所は「DNAの形を見ながら、生命の仕組みを学ぼう」と題して、以下の 3つの企画を行いました。企画1「ブロッコリーから DNAを取り出そう」では身近な野菜であるブロッコリーから DNAを抽出して観察しました。乾電池を転がしてブロッコリーをすり潰す段階では、+極の突起を利用して潰そうとして袋が破けてしまったお子さんが現れました。新しい袋を用意してことなきを得ましたが「こっちのやり方がいいと思った」という柔軟な発想力に感心した出来事でした。また、各段階に応じて食塩などを加えて DNAを抽出していきますが、「どうして塩を入れるの?」といった質問を多く受けました。そこで説明をすると「きちんと理由があって塩を入れるんだね」と満足そうに頷いてくれました。最後に DNAが白いもやの状態で現れると、親御さんも身を乗り出してお子さんと一緒に DNA を観察していました。企画2「DNA の二重らせんを作ろう」では DNA二重らせんのストラップを作りました。企画1 にも参加してくださった方が多く、ブロッコリーからできた白いもやの中をもっと細かく見たらこのようならせん構造の DNAがあると説明すると、「なるほど!すごい!それは虫眼鏡で見えるの?どうしたら見えるの?」と、とても興味を持ってくれました。親御さんからも、「これは身体のどこにあるのか?」「身体に何個くらいあるのか?」など多くの質問を受けました。企画3「健康や生命に関する質問にお答えします!」は、原孝彦プロジェクトリーダーが受け持ち、新型コロナウイルスに対して開発されたワクチンは、従来のワクチンと何が違うのか? iPS細胞の研究は、現在どんな状況か?など幅広いテーマに関する質問に対し、分かりやすい解説を行い、多くの参加者が熱心に聞き入っていました。ご参加いただいた約 70名の皆様方が、少しでも科学へ興味を持っていただけたら幸いです。

Tokyo ふしぎ祭(サイ)エンス会場の様子