テーマ | 「C型肝硬変治療薬(PRI-724)の医師主導治験の現況と今後の展開」 |
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演者 | 木村 公則 (駒込病院 肝臓内科部長) |
テーマ | 「ゲノム編集による肝疾患治療の可能性」 |
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演者 | 宮岡 佑一郎 (医学研 生体分子先端研究分野 再生医療プロジェクトリーダー) |
都医学研の研究者と都立駒込病院の医師等が、研究や診療の事例を基に、臨床に根ざした研究交流を行う 「リサーチ・カンファ」 を、11月21日(月曜日)に駒込病院で行いました。今回は第4回目で、肝臓疾患をターゲットに発表及び討論を行いました。
最初に、駒込病院肝臓内科 木村公則部長が 「Ⅽ型肝硬変治療薬(PRI-724)の医師主導治験の現況と今後の展開」 について発表しました。海外で大腸がんなどの治療薬として開発中の PRI-724は、都医学研の小原道法 感染制御プロジェクトリーダーとの共同研究による動物実験で肝細胞線維化の改善効果が確認され、現在、駒込病院で実施中の医師主導治験でも顕著な効果を示しています。木村部長からは、治験の苦労話や直近の国際学会で高評価を得た旨などを織り交ぜつつ、最新の成果が報告されました。
都医学研からは、今年1月に着任した宮岡佑一郎 再生医療プロジェクトリーダーが「ゲノム編集による肝疾患治療の可能性」とのテーマで、疾患の原因遺伝子の正確かつ効率的なゲノム編集技術を駆使した、ヒトiPS細胞及び肝臓など生体組織での遺伝子修復等、臨床への応用を目指す研究の内容を紹介しました。
参加した病院医師からは、PRI-724の効果の詳細や、ゲノム編集を臨床に応用する際に想定される課題などについて、各自の専門分野との関連を踏まえた質問があり、熱心なやり取りが交わされました。
※リサーチ・カンファ:リサーチ・カンファレンスをもとにした名称。個々の症例ではなく、疾患やケアに関する研究について各々の立場から検討し合うことを目的とした連絡調整会議。
写真:意見交換の様子 (上:木村公則部長、下:宮岡佑一郎再生医療プロジェクトリーダー)