開催報告

2024年度 第2回 都医学研都民講座(2024年6月28日 開催)
アルツハイマー病の未来


認知症プロジェクト野中 隆

春日健作先生
春日健作先生

2024年6月28日、都医学研都民講座が開催されました。今回は、新潟大学脳研究所の春日健作先生を講師としてお招きし、「アルツハイマー病の未来」というタイトルでご講演をいただきました。かつては「痴呆症」と呼ばれていた病気も、「認知症」に呼称変更されてから20年が経ちました。認知症患者およびその前段階である軽度認知障害の方の数は、高齢者人口の増加に伴い世界中で増えており、日本も例外ではありません。認知機能は急激に衰えることはなく、物忘れが徐々に目立ち始めるものの日常生活を送る上では支障がない軽度認知障害と呼ばれる状態から、さらに悪化すると、出来事自体を忘れてしまい、日常生活に支障が生じるようになってしまう認知症へとつながっていきます。

そんな中、認知症の原因の多くを占める「アルツハイマー病」に対する根本治療薬が日本にも登場しました。しかしながら、そのような薬を服用しても認知症を完治させるのは難しいことから、日頃から認知症の予防が非常に重要であるとのお話がありました。具体的には、運動、知的活動・社会的活動、教育や、食事習慣として野菜・果物・魚・カロリー控えめの食事が挙げられるとのことで、会場の皆様も真剣に耳を傾けられていました。

講演後のアンケートでは「、iPS 細胞を用いた治療は今どうなっているか?どのような治療が可能となってきているか?どのような治療ができるよう研究がされているか?」「大変具体的でわかりやすかった。社会的に影響の大きい認知症について明るい展望がひらけている話を聞くことができとてもよかった。」といった御意見を頂きました。