認知症プロジェクト野中 隆
「Neurodegenerative Disorders: Understanding mechanisms and toward therapies(神経変性疾患の発症メカニズムや治療について)」と題したシンポジウムが開催されました。最初のセッションでは「患者脳に出現する異常病変の病理と伝播」に関して、米国ペンシルベニア大学の Virginia Man-Yee Lee 教授、および京都大学の上村紀仁先生、大阪公立大学の上村麻衣子先生にご講演を頂きました。続いて「患者脳に蓄積する異常タンパク質の構造」に関するセッションがあり、英国 MRC 分子生物学研究所の Michel Goedert 先生および当研究所の樽谷愛理研究員や下中翔太郎研究員からの発表がありました。最後のセッションとして「診断と治療の最前線」に関して、量子科学技術研究開発機構・放射線医学研究所 / 大阪公立大学の樋口真人先生および英国 University College London の Catherine Mummery 先生に最新の研究成果について発表していただきました。国内の企業およびアカデミアの研究者・学生を含め総勢で 80 名を超える方々にご参加いただき、活発な議論が展開されました。国内の若い研究者にとってノーベル賞級の著名な海外研究者と議論する機会はめったになく、非常に良い刺激になったと思います。