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演者 | 丹野 秀崇 The University of Texas at Austin, Department of Chemical Engineering(Research associate) |
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会場 | オンライン(Zoom) |
日時 | 2020年10月23日(金曜日)13:00~ |
世話人 | 正井 久雄 所長 |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
近年、抗体医薬やT cell receptor (TCR)を用いた遺伝子療法が癌治療において目覚ましい成果を挙げている。しかし効果的な抗体やTCRを発見することは技術的問題から未だに困難である。抗体およびTCRは遺伝子再構成によって生じた抗体重鎖、軽鎖、TCRα鎖、TCRβ鎖より構成されており、一つ一つの細胞がそれぞれ異なる抗体配列、TCR配列を発現している。そのため機能的な抗体配列、TCR配列を決定するには1細胞ごとにマイクロウェルプレート等に分離し、配列を解析する必要があった。この手法は極めてロースループットであり、1回の実験に付き数百種類の細胞しか解析出来なかった。
一方で、現在所属しているGeorgiou laboratoryではFlow-focusing deviceを用いることにより数万種類の抗体配列を1細胞レベルで決定できる技術が開発されている。本講演前半では本技術により得られた抗体研究の知見やTCR研究への応用例を紹介したい。更に、我々は細胞溶解液耐性を持つ新規ポリメラーゼRTXとエマルジョンを用いることによって、Flow-focusing device等の複雑な装置を一切用いること無く抗体・TCR配列を1細胞レベルで一斉同定する手法も開発した。本講演後半では本技術の紹介、そしてその応用展開について議論したい。