− この都医学研セミナーは終了しました。-
演者 | 水谷 英二 筑波大学 医学医療系 准教授 |
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会場 | オンライン(Zoom) |
日時 | 2020年12月11日(金曜日)16:30~ |
世話人 | 原 孝彦 幹細胞PJリーダー |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
体細胞核移植技術では、分化した細胞である体細胞核の情報を大幅にリセットする事によって、受精過程を模倣して個体発生を促すため、成功率は極めて低い。不完全な初期化によるエピジェネティック異常が主な原因とされているが、実際に胚内でどのような変化・現象が起こっているのか、どのような胚が個体に発生出来ているのかは不明であった。我々は個々の胚を初期胚発生から個体発生まで追跡するため、ライブセルイメージング技術を用いてマウスクローン胚の解析を行ったところ、非常に多くの胚で染色体分配異常が見つかり、胚発生阻害の大きな原因となっていることを明らかにした。前述したように成功率は低いものの、核移植技術は自然では個体を得ることが不可能な材料からの個体作出も可能とする。実際に我々は死細胞や尿中に存在する極わずかな細胞からクローン個体の作出に成功している。本セミナーでは、これら核移植技術を用いた我々の実験結果とともに、マイクロマニピュレーターを利用した新たな胚操作技術の可能性についても紹介したい。