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演者 | 戸田 聡 金沢大学 ナノ生命科学研究所 助教 |
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会場 | オンライン(Zoom) |
日時 | 2022年2月10日(木曜日)16:00~17:00 |
世話人 | 丹野 秀崇 がん免疫プロジェクトリーダー |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
動物の発生では、細胞が様々な分子を使って互いにコミュニケーションすることで、細胞集団のふるまいが制御され、複雑な構造をした組織や器官が形成されます。近年の生物学研究やイメージング技術の発展によって、発生時に作用する遺伝子や個々の細胞の挙動が明らかにされてきました。しかし、生体内の細胞間相互作用は極めて複雑で、シグナル分子は様々な周囲の分子と相互作用し、細胞はシグナルをやり取りしながら自身の状態をダイナミックに変化させます。そのため、細胞がどのような相互作用を行えば複雑な組織構造を正確に形成できるのか未だによくわかっていません。
そこで私たちは、組織形成能がない培養細胞に新たな細胞間コミュニケーションのルールを設計して細胞集団のふるまいを検証することで、組織形成の仕組みの理解や新たな組織構築技術の開発を目指しています。これまでに、細胞が互いの接着の強さを制御する細胞間相互作用を構築して自発的に細胞を配列させる手法や、蛍光分子GFPの分泌と受容による細胞間相互作用を設計して人工的に多細胞パターンを形成する手法を開発しました。
本セミナーでは、細胞間コミュニケーションの設計を可能にする人工受容体技術とこれを用いて組織形成過程を作り出す合成生物学研究について紹介し、多細胞パターン形成の仕組みや本技術の医療への応用について議論します。