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演者 | 大畑 素子 日本大学 生物資源科学部 食品生命学科 食品栄養学研究室 専任講師 |
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会場 | オンライン(Zoom) |
日時 | 2022年3月23日(水曜日)15:30~ |
世話人 | 新井 誠 統合失調症プロジェクトリーダー |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
「加熱した食品の香りはなぜあれほどまでに魅力的なのか。なぜ食欲がそそられるのか。どんな秘密があるのか。」これは、AROMA RESEARCH(Vol.22, 17-23, 2021)に寄稿した総説の書き出しです。いまやわたしたちの食のほとんどが加熱加工や加熱調理した食品によるものであり、わたしたちは加熱食品の香りに慣れ親しんでいるだけでなく、むしろその香りの魅力に強く惹かれるようにまでなっています。焼肉屋さんの前を通ったときにふと香りを嗅いでぐうとお腹が鳴る感覚、ぐつぐつと煮込まれている料理から漂う香りでおかわりしたいと思う感覚。それらは決して気のせいではなく、加熱食品に含まれる香り成分の嗅覚刺激によって生体に様々な作用を誘発していたからなのです。演者は、これまで食品の加熱で起こるメイラード反応に着目し、この反応で生成される香り成分の嗅覚刺激によって引き起こされる様々な生理作用を明らかにしてきました。本講演では、メイラード反応生成香気の有する魅力的な機能性について、演者らの最近の研究事例とともに紹介します。
また、日本人が特に好む日本固有の食材の香りに秘められた謎を紐解くべく、和柑橘の香りの嗅覚刺激による生体への影響についても近年研究しています。本講演では、まだ初々しい研究成果ではありますが、ユズの香りを嗅ぐことで誘発される生理作用を紹介します。