− この都医学研セミナーは終了しました。-
演者 | 上野 太郎 サスメド株式会社 代表取締役 |
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会場 | オンライン(Zoom) |
日時 | 2022年2月16日(水曜日)17:00~ |
世話人 | 齊藤 実 学習記憶プロジェクトリーダー |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
日本の国際競争力は低下が著しく、ここ数年は64ヵ国中で30位台に低迷している(IMD:国際経営開発研究所)。競争力の源泉である科学技術においても、注目度 の高い論文数で10位と後退している。国は産学官連携によるイノベーション創出につなげることを目的とし、2020年に科学技術基本法を、科学技術・イノベー ション基本法に改正した。デジタル化の遅れも顕著で、コロナ禍での弊害が露見したことからデジタル庁の取り組みを開始している。
医療においてはCOVID-19のパンデミックで院内感染への懸念による受診抑制が見られ、疾患加療をサポートするものとして、情報技術を活用した遠隔診療が用いられている。医療を含む様々な産業界において、デジタルトランスフォーメーション(DX)が求められ、情報技術の活用による生産性向上が期待されている。モバイル端末やウェアラブルデバイスをはじめとした情報技術の活用により、急性疾患・慢性疾患の患者状態を地理的・時間的制限を設けることなくモニターし、介入することが可能になると期待される。情報技術の医療への活用が期待される一方で、サイバーセキュリティやデータ利活用のための分析、法規制への対応など、解決すべき課題も山積している。
我々は、医師・エンジニア・臨床開発・データサイエンティスト・デザイナー・事業開発などの多職種からなるチームで、ソフトウェア医療機器のほか、機械学 習による自動分析システム、臨床開発システムなどを構築してきた。これらのシステムをアカデミアや企業で活用するとともに、内閣府規制のサンドボックス制度を活用した新規技術の社会実装について省庁との議論を行い、効率性の高い医療の実現に向けた研究開発を進めている。デジタル技術を活用した産学官連携による医学研究の事例を紹介し、将来の医療における今後の展開について議論したい。