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演者 | 高橋 暁子 公益財団法人がん研究会 がん研究所 細胞老化プロジェクト プロジェクトリーダー |
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会場 | オンライン(Zoom) |
日時 | 2021年10月29日(金曜日)16:00~ |
世話人 | 原 孝彦 基礎医科学研究分野長/幹細胞プロジェクトリーダー |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
先進諸国の高齢化に伴い、がん・動脈硬化・アルツハイマー・肺線維症・骨粗鬆症のように加齢と伴に罹患率が上昇する疾患(加齢性疾患)が深刻な社会問題となっています。加齢性疾患の発症要因の一つとして、加齢とともに体内に蓄積した老化細胞が関与していることが示唆されています。細胞老化は生体に加わるストレスによって誘導され、細胞増殖を停止させる重要ながん抑制機構として働いている一方で、サイトカイン・ケモカイン・マトリクス分解酵素や増殖因子のような様々な炎症性蛋白質やエクソソームなどの細胞外小胞を分泌するSASP(Senescence-Associated Secretory Phenotype)をおこし、周囲の組織に炎症を惹起することで、加齢性疾患を引き起こす副作用があることが明らかになりつつあります。我々はこれまで、老化細胞でSASPがおこる分子メカニズムの解析を行ってきましたが、最近、細胞老化に伴うエピゲノムの変化とnon-coding RNAの発現がSASPの誘導に重要であることを見出しました。本セミナーでは細胞老化の基礎とSASPの誘導機構、さらにがんとの関りについての研究成果をご紹介させていただきます。