この度、3月 28 日付で東京都医学総合研究所理事長に就任いたしました成田でございます。このような大役を拝命し、身の引き締まる思いであるとともに、当研究所のさらなる発展に貢献できることを大変光栄に感じております。
当研究所は、設立以来、都民の医療と福祉の向上に寄与するため、基礎医学・臨床医学・社会医学の幅広い研究分野において、着実に成果を積み重ねてまいりました。これもひとえに、歴代の理事長をはじめ、全ての職員のたゆまぬ研鑽、そして長年にわたりご支援くださった関係者の皆様の多大なるご協力とご厚情の賜物であり、深く御礼申し上げます。東京都では、65 歳以上の高齢化率が 2024 年時点で過去最高の 23.5%に達しており、特に 75 歳以上の後期高齢者の人口は、2045 年にかけて増加すると予測されています。
それに伴い、認知症、がん、心疾患などの患者も今後さらに増加する見通しです。また、現代のストレス社会では精神疾患の増加が懸念されているほか、新型コロナウイルス感染症の影響により、感染症対策の重要性が改めて認識されています。当研究所では、都民のニーズに応えるため、神経疾患、精神疾患、がん、感染症などの多様な疾患の克服に向けて、最先端の研究に取り組んでいます。得られた成果を都民・社会に還元することで、都民の健康寿命延伸と QOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)向上に貢献していきます。
2025 年度から始まった第5期プロジェクトにおいても、5年間の期間を定めて効果的・効率的に実施する「プロジェクト研究」と、研究所内外への専門的な支援や、東京都の施策に直接貢献する「研究センター」における研究を推進していきます。また、東京都の研究所としてこれまで築いてきた都立病院や大学等との連携を、臨床応用の共同研究や研究人材の受入れ等を通じて、さらに発展させてまいります。これらの取組により、新たな予防法や治療法の開発につながる研究を進め、東京から世界へ向けて優れた研究成果を発信し、都民や社会に希望を届けられるよう努めてまいります。
職員一同、全力を挙げて取り組んでいく所存ですので、今後とも、皆様の温かいご支援とご指導を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。