- この都医学研セミナーは終了しました。-
演者 | 平井 靖史 福岡大学 教授 |
---|---|
会場 | オンライン(Zoom) |
日時 | 2022年10月28日(金曜日)16:00~17:30 |
世話人 | 上野 耕平 学習記憶プロジェクト 副参事研究員 |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
フランスの哲学者アンリ・ベルクソンの提唱した「マルチスケール」の時間論の現代的可能性について、国際的・学際的協働研究の手法を用いて研究しています。この度、その成果を『世界は時間でできているベルクソン時間哲学入門』(青土社)という一般書籍として上梓いたしました。マルチ時間スケール(MTS)の観点によれば、私たちが漠然と一つの共通尺度と考えている「時間」の正体は、生物や物質の運動そのものが、拍子もテンポもバラバラなまま、あちこちで不協和音を奏でながらも共存する賑やかな集合体です。システムの時間特性におけるそうした遅延と不均衡から、クオリアや意識の流れを考えるという新しい「心の哲学」の研究パラダイムを提唱しています。本講演では、生物の知覚や行動、記憶、進化についてMTSの観点から概略をお話しした上で、参加者の関心にできるだけ沿う形でいくつか各論的な具体的事例をご紹介したいと思います。