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『老化と健康』
食、運動、眠り、脳トレ、メンタルケア・・・ 私たちは今何をしたら良いのか?

第3回 「脳を活性化させる運動」~健康長寿を実現する身体の使い方~
(このテーマは終了しました)

演者 小林 寛道
東京大学 名誉教授
開催方式 オンライン(Zoom)
日時 2022年11月4日(金曜日)15:00〜
※講演は1時間程度を予定しています。
世話人 正井久雄
所長
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
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お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話 03-5316-3109

講演要旨

  • オリンピックや世界選手権大会で、日本のスポーツ選手の活躍は世界一流の水準になっている。1964年東京オリンピック頃は、日本人は体力不足であり、大きな大会で「あがって」実力が出せない、精神力が足りない、「根性」強化の時代であった。
    しかし、この頃からスポーツ科学が芽生え、現在では、バイオメカニクス(動作分析)、運動生理学、スポーツ栄養学、スポーツ医学、スポーツ心理学、スポーツ社会学、スポーツ工学、など、諸分野の科学が発達して、トレーニングやコーチングの方法が進歩し、世界で活躍できる日本選手が多数育ってきている。現在の我が国のスポーツ科学の水準は世界的に非常に高い水準にあると言える。高齢者の健康づくりもスポーツ科学的な視点に立つと世界の先端的な水準にあり得る。
  • 1964年東京オリンピックの後には、日本人の体力不足が問題とされ、体力づくりの必要性が重視され、1990年頃(バブル崩壊の時期)迄は、学校体育の時間は「体力づくり」がメインテーマとなっていた。しかし、強制的な要素をもつ「体力づくり」は敬遠され、「楽しい体育」といった「楽しさ」が前面に出た体育の時間に代わった。
    2022年の日本人の平均寿命は、女性87歳、男性81歳であるが、現在の60~70歳代の人は、学校体育で「体力づくり」を経験した世代なので、今までと同じように、今後20年間は、毎年「高齢者の体力が向上した」という時代になると考えられる。成長期に運動することの効果は生涯にわたって影響するからである。
    バブル崩壊以後の世代では、体力にも個人差の要素が大きくなり、働き盛りの人の体力低下が社会問題される傾向になると考えられる。
  • 100歳以上生きる人は9万人を超え、110歳を頂点として、団塊の世代と言われる76歳までの年齢構成はピラミッド型を形成しているので、これから10年後、 20年後には、100歳以上生きる人は20万人から50万人ぐらいになる可能性がある。すなわち、誰でもが100歳以上生きる可能性が高くなっている。医学の進歩とともに、「体を動かすこと」「運動の大切さ」が、より大きく認識される時代 になると言える。とりわけ、「運動と脳」の関係には、多くの人が関心を寄せている。
  • 高齢期を元気に過ごすためには、「体を動かすこと」「運動」が極めて重要 であるが、どのように「身体を動かすのが良いのか」というテーマには、多くの具体的な方法が考えられる。近年、姿勢保持筋の役割を持つ「体幹深部筋」(インナーマッスル)への関心が高まっている。演者は、体幹深部筋(インナーマッスル)を活動させることが、脳を活性化させる重要な要素であると考えている。 体幹深部に存在する筋肉は、動物の生存活動と身近にあると考えられるからである。脊柱には、多くの神経叢がある。これらは脳の働きに直結している。
  • スポーツ科学の立場から、体幹深部筋の働きを高める「骨盤」「脊柱」「股関節」の柔軟性を高める体操や、「動きづくり」の指導に取り組んでいるので、 講演の中で、「骨盤・背骨」体操や歩き方(「大腰筋ウォーキング」)の方法を紹介する。