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緑内障を“代謝疾患”として捉え直す ― エネルギー代謝とレジリエンスからみた新規病態機構

演者 羽入田 明子
慶応義塾大学 医学部 眼科学教室
専任講師
会場 対面式(講堂)
日時 2026年6月26日(金曜日)16:00~17:00
世話人 篠崎 陽一
視覚病態プロジェクト
参加方法 詳細は事前に下記問合せ先までご連絡ください
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話 03-5316-3109

講演要旨

近年、緑内障は単なる眼圧依存性疾患ではなく、加齢に伴う神経変性疾患としての側面が注目されている。特に近年の疫学研究やメタボローム解析により、視神経変性の背景に全身および局所のエネルギー代謝異常が関与する可能性が示唆されている。一方で、緑内障研究において、代謝情報を病態理解や予防・治療戦略へ十分に活用できているとは言い難い状況も残されている。

本講演では、「緑内障を神経エネルギー疾患として理解する」という観点から、以下2点の最近の研究を中心に、現在進行中の研究内容について紹介する。

  • UK Biobankのデータセットを用いた大規模メタボローム解析により、乳酸、ピルビン酸、クエン酸などのエネルギー代謝物が緑内障感受性と関連し、代謝レジリエンスが疾患発症を規定する可能性を明らかにした。
  • 緑内障患者の血中メタボロミクス解析により、患者を複数のサブタイプ(エンドタイプ)に分類し、特に中心視野障害の進行が速いタイプB群では、脂質代謝異常を中心としたエネルギー代謝経路の障害を示すことが明らかとなった。

これらの研究を通じて、緑内障を「代謝恒常性破綻に基づく神経変性疾患」として再定義するとともに、代謝レジリエンスに着目した新規予防・治療戦略の可能性について議論したい。