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リボソームDNAコピー数維持機構と生殖系列の不死性

演者 渡瀬 成治
熊本大学発生医学研究所生殖発生分野
助教
会場 対面式(講堂)
日時 2026年9月8日(火曜日)16:00~17:00
世話人 吉川 欣亮
難聴プロジェクト
参加方法 詳細は事前に下記問合せ先までご連絡ください
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話 03-5316-3109

講演要旨

生命の連続性は、生殖系列が世代を超えて遺伝情報を正確に継承する能力によって支えられている。体細胞とは異なり、生殖細胞は自己を半永久的に維持する卓越した能力を有しており、この性質は「生殖系列の不死性」という概念として捉えられている。近年、ゲノム不安定性が細胞老化の主要な要因であることが明らかになりつつある一方で、生殖系列がどのようにゲノムの恒常性を維持し、その不死性を実現しているのかについては、未だ十分に理解されていない。

リボソームRNAをコードするリボソームDNA(rDNA)は、高度な反復構造を有することから、真核生物ゲノムの中でも特にコピー数が失われやすい不安定なゲノム領域である。私たちはショウジョウバエ雄性生殖系列をモデルとして、生殖幹細胞がrDNAコピー数を維持するための特異的な分子機構を備えており、この機構が生殖系列の不死性に必須であることを明らかにした(Watase et al., 2022; Watase and Yamashita, 2024)。rDNAの構造と機能は真核生物で高度に保存されていることから、本研究で明らかになった知見は、ショウジョウバエにとどまらず、哺乳動物を含む動物に広く保存されたゲノム恒常性維持機構の理解につながることが期待される。

本講演では、rDNAコピー数維持機構に関するこれまでの研究成果を紹介するとともに、生殖幹細胞がどのようにrDNAコピー数の減少を感知し、その回復を誘導することで生殖系列の不死性を維持しているのかについて、最新の研究成果を交えながら議論する。