| 演者 | 伊藤 浩史 九州大学芸術工学研究院 准教授 |
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| 会場 | ハイブリッド(講堂+Zoom) |
| 日時 | 2026年8月31日(木曜日)13:00~15:00 |
| 世話人 | 吉種 光 体内時計プロジェクト |
| 参加方法 | 詳細は事前に下記問合せ先までご連絡ください |
| お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
概日時計の重要な性質に同調があります。同調とは、環境サイクルの周期に概日時計の周期が変更されてしまう現象です。この不思議な現象のメカニズムはいかなるものでしょうか?同調システムとも呼ぶべき特別な分子装置があり、絶妙に外界の周期を検知して概日時計の周期を変更しているのでしょうか?
同調の数理が教えてくれるところによれば、そのような賢い装置は不要であることがわかります。ではひとことで同調に本質的に必要なことをあげよと問われれば、それは位相応答だと答えるでしょう。時間生物学の巨人Pittendrighは驚くべきことに同調には位相応答が本質的であるということに1958年頃には気づいていたようです。
位相応答は純粋に数学的なコンセプトです。これを理解するには、まず、位相という量そのものの定義を知る必要あります。そのためにはリミットサイクルという数学用語に慣れる必要があり、リミットサイクルは微分方程式の解なので微分方程式も認識しておいたほうがよいでしょう。このように同調のメカニズムを理解すると言ったとき、その手前には初心者を戸惑わせる数学上のコンセプトが立ちはだかっています。
このセミナーでは時間生物学で出くわすこれらの数学用語をきっちり導入し、最初にあげた問い「同調のメカニズムはとはなにか」に答えたいと思います。また講演者自身が観察した位相や位相応答の例をご紹介し、約70年前に提案されたコンセプトが現在でも古びず現役であることをお伝えできればと思います。